株式会社の組織再編等に関する次の1から5 までの記述のうち、正しいものは、どれか。…
午前の部(会社法・商法) 午前の部 第34問
株式会社の組織再編等に関する次の1から5 までの記述のうち、正しいものは、どれか。
- (1)株式会社は、株主総会の決議によって承認を受けなくても、他の会社の事業の一部を譲り受けることができる。
- (2)吸収合併消滅会社が発行した新株予約権は、吸収合併の登記をした時に、消滅する。
- (3)吸収分割をする場合において、吸収分割後吸収分割会社に対して債務の履行を請求することができる吸収分割会社の債権者は、吸収分割会社に対し、吸収分割について異議を述べることができる。
- (4)吸収合併が法令又は定款に違反し、吸収合併存続会社の株主が不利益を受けるおそれがあるときであっても、吸収合併存続会社の株主は、吸収合併存続会社に対し、当該吸収合併の差止めを請求することはできない。
- (5)株式交換をする場合において、株式交換完全親会社の反対株主は、株式交換完全親会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することはできない。
正答 (1)
正答は (1)。正しいのはこれです。
【(1)】正しい
株主総会の特別決議による承認が必要なのは、他の会社の事業の「全部」の譲受けです(会社法467条1項3号、309条2項11号)。事業の一部の譲受けは、株主総会の承認の対象になっていないので、承認を受けずにすることができます(重要な財産の譲受けとして取締役会の決議が必要になることはあります)。
【(2)】誤り
吸収合併消滅株式会社の新株予約権は、吸収合併の効力発生日に消滅します(会社法750条4項)。吸収合併は契約で定めた効力発生日に効力を生じ、登記は効力要件ではありません(新設合併は設立の登記の時に効力を生じます)。
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【(3)】誤り
吸収分割会社の債権者のうち、異議を述べることができるのは、吸収分割後吸収分割会社に対して債務の履行(その債務の保証人として吸収分割承継会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む)を請求することができない債権者です(会社法789条1項2号)。吸収分割後も吸収分割会社に履行を請求できる債権者は、分割による不利益を受けないので、原則として異議を述べることはできません(分割対価である株式を株主に分配する場合などは別です)。
【(4)】誤り
吸収合併等が法令又は定款に違反する場合において、吸収合併存続株式会社の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、その株主は、存続株式会社に対し、吸収合併等をやめることを請求することができます(会社法796条の2第1号)。ただし、簡易合併の要件を満たす場合は除かれます。
【(5)】誤り
株式交換をする場合には、株式交換完全親株式会社の反対株主も、存続株式会社等として、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができます(会社法797条1項)。ただし、簡易株式交換の要件を満たす場合は除かれます。
【まとめ】
正しいのは (1) だけで、(1) が正答です。
出典:2022年(令和4年度) 司法書士試験 午前の部 第34問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
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