株式会社の組織再編行為に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。…
午前の部(会社法・商法) 午前の部 第34問
株式会社の組織再編行為に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 解散したことにより清算をする株式会社は、当該株式会社を吸収合併存続株式会社とする吸収合併をすることができない。イ 吸収合併において、吸収合併存続株式会社は、吸収合併消滅株式会社の株主に対して、合併対価を交付しないこととすることができない。ウ 新設合併契約を承認した新設合併消滅株式会社の株主総会の決議に瑕疵があることを理由とする新設合併の無効の訴えは、当該新設合併消滅株式会社を被告としなければならない。エ 吸収分割において、吸収分割株式会社が株主総会の決議によって吸収分割契約の承認を受けなければならないときは、当該株主総会において議決権を行使することができない株主は、当該吸収分割株式会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。オ 株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対して交付する対価が金銭のみである場合には、当該株式交換完全親株式会社の債権者は、当該株式交換完全親株式会社に対し、当該株式交換について異議を述べることができない。
- (1)アイ
- (2)アエ
- (3)イウ
- (4)ウオ
- (5)エオ
正答 (2)
正答は (2)。正しいのはアとエです。
【ア】正しい
会社法第474条第1号は、清算株式会社は、その清算株式会社が存続する株式会社となる合併をすることができないと定めています。清算は会社をたたむための手続なので、他の会社を吸収して存続する側になることは認められません。清算株式会社が吸収合併消滅株式会社となること(他の会社に吸収されること)はできます。
【イ】誤り
吸収合併契約では、存続株式会社が消滅株式会社の株主に対してその株式に代わる金銭等を交付する「ときは」、その内容を定めるとされています(会社法第749条第1項第2号)。対価を交付しない吸収合併(無対価合併)も認められています。完全親子会社間の合併などで使われます。
解説の続きをみる続きを閉じる
【ウ】誤り
新設合併の無効の訴えの被告は、新設合併設立会社です(会社法第834条第8号)。新設合併消滅株式会社は合併によって消滅しているので、被告になることはできません。株主総会の決議に瑕疵があることを無効の原因として主張する場合も同じです。
【エ】正しい
吸収分割株式会社で株主総会の決議による承認が必要な場合、反対株主は、会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求できます(会社法第785条第1項)。ここでの反対株主には、その株主総会で議決権を行使することができない株主も含まれます(同条第2項第1号ロ)。議決権がない以上反対の意思表示もできないので、そのような株主も保護されるのです。
【オ】誤り
株式交換完全親株式会社の債権者は、株式交換完全子会社の株主に交付する対価が、完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもの「のみ」である場合以外の場合には、株式交換について異議を述べることができます(会社法第799条第1項第3号)。対価が金銭のみであれば、完全親株式会社の財産が流出するので、債権者は異議を述べることができます。
【整理】
無対価:吸収合併・吸収分割・株式交換では可(新設型では株式等の交付が必要)
組織再編の無効の訴えの被告:再編後に存在する会社(新設合併は設立会社)
株式交換完全親会社の債権者異議:対価が親会社株式等だけのときは不可、金銭などを含めば可
正しいのはアとエですから、正答は (2) です。
出典:2024年(令和6年度) 司法書士試験 午前の部 第34問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
「午前の部(会社法・商法)」のほかの問題
- 2025年(令和7年度) 午前の部 第34問吸収分割に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのう
- 2021年(令和3年度) 午前の部 第31問監査等委員会設置会社に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記
- 2022年(令和4年度) 午前の部 第27問株式会社の設立に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5
- 2022年(令和4年度) 午前の部 第32問株式会社の計算等に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1か
- 2023年(令和5年度) 午前の部 第28問株式会社の定款に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組
- 2023年(令和5年度) 午前の部 第33問社債に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのう
スポンサーリンク

