持分会社に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。…
午前の部(会社法・商法) 午前の部 第33問
持分会社に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 合同会社は、各事業年度に係る貸借対照表の作成後遅滞なく、当該貸借対照表を公告しなければならない。イ 合資会社の有限責任社員は、労務や信用を出資の目的とすることはできない。ウ 合名会社が合同会社となるためには、組織変更計画を作成しなければならない。エ 法人が合同会社の業務を執行する社員である場合には、当該法人は、当該業務を執行する社員の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を他の社員に通知しなければならない。オ 既に合資会社に出資の履行をした有限責任社員は、当該合資会社の財産に対する強制執行がその効を奏しなかった場合には、連帯して、当該合資会社の債務を弁済する責任を負う。
- (1)アウ
- (2)アオ
- (3)イウ
- (4)イエ
- (5)エオ
正答 (4)
正答は (4)。正しいのはイとエです。
【ア】誤り
貸借対照表の公告(決算公告)を義務付けているのは、株式会社についての会社法第440条です。持分会社には決算公告の義務はなく、合同会社も各事業年度の貸借対照表を公告する必要はありません。合同会社は、計算書類の閲覧について、社員のほか債権者にも請求を認めています(第625条)。
【イ】正しい
会社法第576条第1項第6号は、定款の記載事項として「社員の出資の目的(有限責任社員にあっては、金銭等に限る。)及びその価額又は評価の標準」を挙げています。有限責任社員の出資は金銭等(金銭その他の財産)に限られるので、労務や信用を出資の目的とすることはできません。無限責任社員は労務や信用も出資できます。
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【ウ】誤り
合名会社、合資会社、合同会社の間で会社の種類を変えることは、組織変更ではなく、定款の変更(持分会社の種類の変更)によって行います(会社法第638条)。合名会社は、社員の全部を有限責任社員とする定款の変更をすることで合同会社となります(同条第1項第3号)。組織変更計画を作るのは、株式会社と持分会社の間で会社の形を変える場合です(第743条)。
【エ】正しい
会社法第598条第1項は、法人が業務を執行する社員である場合には、その法人は、業務を執行する社員の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を他の社員に通知しなければならないと定めています。
【オ】誤り
会社法第580条第2項は、有限責任社員は、その出資の価額(既に持分会社に対し履行した出資の価額を除く。)を限度として、持分会社の債務を弁済する責任を負うと定めています。出資の全部を既に履行した有限責任社員は、それ以上会社の債務を弁済する責任を負いません。会社財産で完済できない場合などに連帯して弁済する責任(同条第1項)を負うのは無限責任社員です。
【整理】
会社の種類の変更(合名・合資・合同の間):定款の変更(第638条)
組織変更(株式会社⇔持分会社):組織変更計画(第743条)
有限責任社員の責任:未履行の出資の価額が限度(第580条第2項)
正しいのはイとエですから、正答は (4) です。
出典:2024年(令和6年度) 司法書士試験 午前の部 第33問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
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