株主総会の決議によって解散したことにより清算が開始した場合に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは…
午前の部(会社法・商法) 午前の部 第32問
株主総会の決議によって解散したことにより清算が開始した場合に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 清算人は、清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。イ 裁判所が選任した清算人は、重要な事由があるときは、株主総会の決議によって解任することができる。ウ 裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人会設置会社でない清算株式会社の清算人に代わって当該清算株式会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料を保存する者を選任することができる。エ 清算株式会社は、会計監査人を置くことができる。オ 清算株式会社の特別支配株主は、特別支配株主の株式等売渡請求をすることができない。
- (1)アエ
- (2)アオ
- (3)イウ
- (4)イエ
- (5)ウオ
正答 (4)
正答は (4)。誤っているのはイとエです。
【ア】正しい
会社法第484条第1項は、清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならないと定めています。債務超過のまま通常清算を続けると債権者の平等が害されるからです。
【イ】誤り
会社法第479条第1項は、清算人は、いつでも株主総会の決議によって解任することができると定めていますが、かっこ書で、裁判所が選任した清算人(第478条第2項から第4項まで)を除いています。裁判所が選任した清算人は株主総会の決議では解任できません。重要な事由があるときに、株主等の申立てにより裁判所が清算人を解任する仕組み(第479条第2項)があります。
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【ウ】正しい
清算人(清算人会設置会社では代表清算人などの第489条第7項各号の清算人)は、清算結了の登記の時から10年間、清算株式会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料を保存しなければなりません(会社法第508条第1項)。同条第2項は、裁判所は、利害関係人の申立てにより、この清算人に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができると定めています。清算人会設置会社でない清算株式会社でも、この選任ができます。
【エ】誤り
清算株式会社は、定款の定めによって、清算人会、監査役又は監査役会を置くことができます(会社法第477条第2項)。しかし、会計参与や会計監査人などに関する規定は清算株式会社には適用されない(同条第7項)ので、清算株式会社は会計監査人を置くことができません。
【オ】正しい
会社法第509条第2項は、特別支配株主の株式等売渡請求の規定(第2編第2章第4節の2、第179条から第179条の10まで)は、対象会社が清算株式会社である場合には適用しないと定めています。清算株式会社の株式について、特別支配株主が株式等売渡請求をすることはできません。
【整理】
清算株式会社の機関
必ず置く:株主総会、清算人1人以上(第477条第1項)
定款で置ける:清算人会、監査役、監査役会(同条第2項)
置けない:取締役、会計参与、会計監査人、委員会など(同条第7項)
誤っているのはイとエですから、正答は (4) です。
出典:2024年(令和6年度) 司法書士試験 午前の部 第32問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
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