倉庫営業に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。…

午前の部(会社法・商法) 午前の部 第35問

倉庫営業に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。ア 寄託者又は倉荷証券の所持人は,倉庫営業者の営業時間内であれば,いつでも,寄託物の見本の提供を求めることができる。イ 当事者が寄託物の保管期間を定めなかった場合には,倉庫営業者は,やむを得ない事由があるときであっても,寄託物の入庫の日から6か月を経過した後でなければ,その返還をすることができない。ウ 倉庫営業者は,その営業の範囲内において寄託を受けた場合であっても,報酬を受けないときは,自己の財産に対するのと同一の注意をもって,寄託物を保管する義務を負うことになる。エ 倉庫営業者が寄託物の損傷につき悪意でなかった場合には,寄託物の損傷についての倉庫営業者の責任に係る債権は,寄託物の出庫の日から1年間行使しないときに,時効によって消滅する。オ 倉庫営業者は,寄託物の全部ではなく一部を出庫するにとどまる場合には,出庫の割合に応じた保管料の支払を請求することはできない。

正答 (1)
正答は (1)。正しいのはアとエです。 倉庫営業の規定は、2019年4月1日施行の商法の改正(運送・海商関係)で現代語化され、条文の番号も改められています。 【ア】正しい 寄託者又は倉荷証券の所持人は、倉庫営業者の営業時間内は、いつでも、寄託物の点検若しくはその見本の提供を求め、又はその保存に必要な処分をすることができます(商法609条)。 【イ】誤り 当事者が寄託物の保管期間を定めなかったときは、倉庫営業者は、寄託物の入庫の日から6箇月を経過した後でなければ、その返還をすることができません。ただし、やむを得ない事由があるときは、この限りではありません(商法612条)。やむを得ない事由があれば、6箇月以内でも返還できます。
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【ウ】誤り 商人がその営業の範囲内において寄託を受けた場合には、報酬を受けないときであっても、善良な管理者の注意をもって寄託物を保管しなければなりません(商法595条)。民法の無報酬の受寄者の注意義務(自己の財産に対するのと同一の注意。民法659条)は、営業の範囲内の寄託には適用されません。 【エ】正しい 寄託物の滅失又は損傷についての倉庫営業者の責任に係る債権は、寄託物の出庫の日から1年間行使しないときは、時効によって消滅します(商法617条1項)。この短期の時効は、倉庫営業者が寄託物の滅失又は損傷につき悪意であった場合には適用されません(同条3項)。 【オ】誤り 倉庫営業者は、寄託物の出庫の時以後でなければ保管料等の支払を請求することができませんが、寄託物の一部を出庫するときは、出庫の割合に応じて、その支払を請求することができます(商法611条)。 【組み合わせ】 正しいのはアとエで、これを組とする (1) が正答です。

出典:2021年(令和3年度) 司法書士試験 午前の部 第35問(法務省 公表)出典元ページ

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