訴訟委任に基づく訴訟代理人に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか…

午後の部(民事訴訟法) 午後の部 第1問

訴訟委任に基づく訴訟代理人に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 簡易裁判所においては、その許可を得て、当事者の親族を訴訟代理人とすることができる。イ 相手方の具体的な事実の主張について訴訟代理人がした認否は、当事者が直ちにこれを取り消したときは、その効力を生じない。ウ 訴訟代理権は、委任をした当事者が死亡した場合には、消滅する。エ 当事者が訴訟代理人を解任したときであっても、訴訟代理権の消滅は、本人又は代理人から相手方に通知をしなければ、その効力を生じない。オ 訴訟代理人が委任を受けた事件について控訴をするには、特別の委任を要しない。

正答 (5)
正答は (5)。誤っているのはウとオです。 【ア】正しい 民事訴訟法第54条第1項は、法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができないとしつつ、ただし書で、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができると定めています。当事者の親族も、簡易裁判所の許可があれば訴訟代理人になれます。許可はいつでも取り消すことができます(同条第2項)。 【イ】正しい 民事訴訟法第57条は、訴訟代理人の事実に関する陳述は、当事者が直ちにこれを取り消し、又は更正したときは、その効力を生じないと定めています(当事者の更正権)。相手方の主張する事実への認否も事実に関する陳述なので、当事者が直ちに取り消せば効力を生じません。事実関係を一番よく知る当事者本人の判断を優先させる趣旨です。
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【ウ】誤り 民事訴訟法第58条第1項は、訴訟代理権は、当事者の死亡又は訴訟能力の喪失(第1号)などによっては消滅しないと定めています。民法では委任者の死亡で委任は終了しますが(民法第653条第1号)、訴訟代理権は範囲が明確で、代理人は弁護士が原則なので、手続の安定のため消滅しないとされています。そのため、訴訟代理人がいれば訴訟手続も中断しません(民事訴訟法第124条第2項)。 【エ】正しい 民事訴訟法第59条は、法定代理権の消滅の通知に関する第36条第1項を訴訟代理について準用しています。訴訟代理権の消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなければ、その効力を生じません。解任の場合も同じです。 【オ】誤り 訴訟代理人は、委任を受けた事件について攻撃防御や強制執行などの行為ができますが(民事訴訟法第55条第1項)、控訴、上告若しくは上告受理の申立て又はこれらの取下げは、特別の委任を受けなければできません(同条第2項第3号)。審級ごとに委任の意思を確かめる趣旨です。 【整理】 特別の委任が必要な行為(第55条第2項):反訴の提起、訴えの取下げ・和解・請求の放棄・認諾・訴訟脱退、控訴・上告・上告受理の申立てとその取下げ、異議の取下げ又はその取下げへの同意、復代理人の選任 誤っているのはウとオですから、正答は (5) です。

出典:2024年(令和6年度) 司法書士試験 午後の部 第1問(法務省 公表)出典元ページ

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