株式の譲渡制限に関する規定の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、…

午後の部(不動産登記法・商業登記法) 午後の部 第30問

株式の譲渡制限に関する規定の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 株式の譲渡制限に関する規定として「当会社の株式を譲渡により取得するには取締役会の承認を受けなければならない。ただし、当会社の株主が当会社の株式を譲渡により取得する場合においては取締役会が承認をしたものとみなす。」と定款に定めて登記している会社が、当該規定中ただし書を削除する旨の定款の変更をした場合において、現に株券を発行しているときは、株式の譲渡制限に関する規定の変更の登記の申請書には、株券提供公告をしたことを証する書面を添付しなければならない。イ 株式の譲渡制限に関する規定として「当会社の株式を譲渡により取得するには取締役会の承認を受けなければならない。」と定款に定めて登記している会社が、「ただし、当会社の株主が当会社の株式を譲渡により取得する場合においては取締役会が承認をしたものとみなす。」とのただし書を追加する旨の定款の変更をした場合には、株式の譲渡制限に関する規定の変更の登記の申請書には、当該定款の変更が、株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上であって、当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって可決された旨の株主総会の議事録を添付しなければならない。ウ 株式の譲渡制限に関する規定として「当会社の株式を譲渡により取得するには当会社の承認を受けなければならない。」と定款に定めて登記することはできない。エ 取締役会設置会社でない会社において、株式の譲渡制限に関する規定として「当会社の株式を譲渡により取得するには取締役の過半数の承認を受けなければならない。」と定款に定めて登記することができる。オ 会社法上の公開会社でない監査役会設置会社が株式の譲渡制限に関する規定を廃止する旨の定款の変更をした場合には、役員の任期満了による退任の登記をもしなければならない。

正答 (3)
正答は (3)。誤っているのはイとウです。 【ア】正しい 「当会社の株主が譲渡により取得する場合は承認をしたものとみなす」というただし書を削除すると、株主間の譲渡にも承認が必要となり、譲渡の制限が強まります。登記の実務では、このような変更も譲渡制限の定めを設ける定款の変更に準じて扱われ、現に株券を発行しているときは、株券提供公告(会社法219条1項1号)をしたことを証する書面の添付が必要とされています。 【イ】誤り 株主間の譲渡について承認したものとみなすただし書を追加するのは、譲渡の制限を緩める変更です。譲渡制限の定めを新たに設ける場合と異なり、特殊決議(会社法309条3項1号)は要らず、通常の定款の変更と同じく株主総会の特別決議(会社法309条2項11号)で足ります。特殊決議で可決された旨の議事録を添付しなければならない、とする点が誤りです。
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【ウ】誤り 譲渡による取得の承認をする機関は、定款に別段の定めがない限り、株主総会(取締役会設置会社にあっては取締役会)とされています(会社法139条1項)。定款で承認機関を明示せず「当会社の承認を受けなければならない」と定めることもでき、その場合は会社法の規定によって承認機関が決まるので、この定めを登記することができます。 【エ】正しい 会社法139条1項ただし書は、定款に別段の定めがある場合を認めています。取締役会設置会社でない会社が「取締役の過半数の承認」と定めることもでき、その定めを登記することができます。 【オ】正しい 公開会社でない株式会社が譲渡制限の定めを廃止して公開会社となる定款の変更をしたときは、その定款の変更の効力が生じた時に、取締役・監査役などの任期が満了します(会社法332条7項3号・336条4項4号)。そのため、役員の任期満了による退任の登記もしなければなりません。 【まとめ】 誤っているのはイとウで、この組合せは (3) です。

出典:2025年(令和7年度) 司法書士試験 午後の部 第30問(法務省 公表)出典元ページ

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