サリドマイド及びサリドマイド訴訟に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。…
医薬品に共通する特性と基本的な知識 第38問
サリドマイド及びサリドマイド訴訟に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。a サリドマイド訴訟は、サリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常(サリドマイド胎芽症)が発生したことに対する損害賠償訴訟である。b サリドマイドは副作用として血管新生を促進する作用があったため、胎児に先天異常が発生した。c サリドマイドの催奇形性について、1961年12月に西ドイツ(当時)の企業から日本に勧告が届き、日本では同年中に直ちに販売停止及び回収措置が行われた。d サリドマイドによる薬害事件は、日本のみならず世界的にも問題となったため、世界保健機関(WHO)加盟国を中心に、各国における副作用情報の収集体制の整備が図られた。
- (1)a: 正 b: 誤 c: 誤 d: 正
- (2)a: 誤 b: 正 c: 誤 d: 正
- (3)a: 正 b: 正 c: 誤 d: 誤
- (4)a: 誤 b: 誤 c: 正 d: 誤
正答 (1)
正答は (1)。a 正、b 誤、c 誤、d 正 です。
【(a)正しい】
サリドマイド訴訟は、催眠鎮静剤等として販売されたサリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常(サリドマイド胎芽症)が発生したことに対する損害賠償訴訟です。
【(b)誤り ―― 血管新生を「妨げる」作用】
サリドマイドには、副作用として血管新生を「妨げる」作用がありました。妊娠している女性が摂取すると、サリドマイドは血液-胎盤関門を通過して胎児に移行します。胎児の成長過程で血管新生が妨げられると細胞分裂が正常に行われず、器官が十分に成長しないため、先天異常が発生します。「促進する」は逆です。
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なお、血管新生を妨げる作用は光学異性体のうちS体のみが有し、鎮静作用はR体のみが有するとされます。ただし体内でR体とS体は相互に転換するため、R体だけを製剤化しても催奇形性は避けられません。
【(c)誤り ―― 日本の対応は遅れた】
1961年11月に西ドイツのレンツ博士が催奇形性について警告を発しました。日本では同年12月に西ドイツ企業から勧告が届いており、翌年になってからも警告が発せられていたにもかかわらず、出荷停止は1962年5月まで行われず、販売停止及び回収措置は同年9月でした。対応の遅さが問題視されたのであり、「同年中に直ちに」は誤りです。
【(d)正しい】
サリドマイドによる薬害事件は世界的にも問題となり、WHO加盟国を中心に市販後の副作用情報の収集の重要性が改めて認識され、各国における副作用情報の収集体制の整備が図られることとなりました。
出典:登録販売者試験 令和6年度(群馬県 公表問題)出典元ページ
最終更新日
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