妊婦又は妊娠していると思われる女性及び母乳を与える女性(授乳婦)の医薬品の使用に関する次の記述の正誤について、正しい組合…
医薬品に共通する特性と基本的な知識 第32問
妊婦又は妊娠していると思われる女性及び母乳を与える女性(授乳婦)の医薬品の使用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。a 妊娠の有無やその可能性については、購入者等にとって他人に知られたくない場合もあることから、一般用医薬品の販売等において登録販売者が情報提供や相談対応を行う際には、十分に配慮することが必要である。b 便秘薬は、配合成分やその用量によっては流産や早産を誘発するおそれがある。c 医薬品の種類によっては、授乳婦が使用した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られているが、通常の使用の範囲では具体的な悪影響は判明していないものもある。d 母体が医薬品を使用した場合、血液-胎盤関門によって、どの程度医薬品の成分の胎児への移行が防御されるかは、解明されていることが多いため、一般用医薬品を妊婦が使用した場合の安全性に関する評価は容易である。
- (1)a: 正 b: 正 c: 正 d: 正
- (2)a: 誤 b: 誤 c: 正 d: 正
- (3)a: 正 b: 誤 c: 誤 d: 誤
- (4)a: 誤 b: 正 c: 誤 d: 正
- (5)a: 正 b: 正 c: 正 d: 誤
正答 (5)
正答は (5)。誤っているのは(d)だけです。
【(a)正しい ―― 妊娠の有無への配慮】
妊娠の有無やその可能性については、購入者等にとって他人に知られたくない場合もあることから、情報提供や相談対応を行う際には十分に配慮することが必要です。
確認しなければならない事項ではありますが、周囲に聞こえる声で尋ねてよいということにはなりません。
【(b)正しい ―― 便秘薬と流産・早産】
便秘薬は、配合成分やその用量によっては流産や早産を誘発するおそれがあります。
具体的には、センナ、センノシド、ダイオウといった大腸刺激性瀉下成分や、ヒマシ油が該当します。
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理由は、腸の急激な動きに刺激されて、子宮が収縮するためです。ヒマシ油は急激で強い瀉下作用(峻下作用)を示すため、とくに注意が必要です。
【(c)正しい ―― 悪影響が判明していないものもある】
医薬品の種類によっては、授乳婦が使用した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られていますが、通常の使用の範囲では具体的な悪影響は判明していないものもあります。
「移行するが、悪影響までは分かっていない」という、やや歯切れの悪い記述ですが、これが手引きどおりです。断定していないからといって誤りとは限らない、という点に注意してください。
もちろん、乳児に明らかな悪影響が知られている成分もあります。
ジフェンヒドラミン塩酸塩 乳児に昏睡を生じるおそれ
アミノフィリン水和物、テオフィリン 乳児に神経過敏を起こすことがある
ロートエキス 乳児に頻脈を起こすおそれ、母乳が出にくくなることがある
センノシド、センナ、ダイオウ 乳児に下痢を起こすおそれ
コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩 乳児にモルヒネ中毒が生じたとの報告
【(d)が誤り ―― 解明されていないことが多い】
血液-胎盤関門によって、どの程度医薬品の成分の胎児への移行が防御されるかは、未解明のことも多く、一般用医薬品を妊婦が使用した場合の安全性に関する評価は困難です。
設問は「解明されていることが多い」「評価は容易である」としており、二重に誤りです。
だからこそ、一般用医薬品では、多くの場合、妊婦の使用について「相談すること」としているのです。(d)の内容と、この結論はつながっています。
【胎児と妊婦に関する基本】
胎児は、誕生するまでの間、母体との間に存在する胎盤を通じて栄養分を受け取っている
胎盤には、胎児の血液と母体の血液とが混ざらない仕組み(血液-胎盤関門)がある
ビタミンA含有製剤は、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると、胎児に先天異常を起こす危険性が高まる
妊婦が医薬品を使用する場合には、一般用医薬品による対処が適当かどうかを含めて慎重に考慮されるべきであり、相談を受けた場合には、医療機関の受診を勧めることが適切な場合もあるという点も押さえておきましょう。
出典:登録販売者試験 令和7年度(群馬県 公表問題)出典元ページ
最終更新日
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