ヒト免疫不全ウイルス(HIV)訴訟に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。…

医薬品に共通する特性と基本的な知識 第38問

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)訴訟に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。a 血友病患者が、HIVが混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。b 国及び製薬企業を被告として、1989年5月に大阪地裁、同年10月に東京地裁で提訴され、両地裁は、1995年10月、1996年3月にそれぞれ和解勧告を行い、1996年3月に両地裁で和解が成立した。c HIV訴訟の和解を踏まえ、国は、HIV感染者に対する恒久対策として、エイズ治療・研究開発センター及び拠点病院の整備や治療薬の早期提供等の様々な取り組みを推進している。d HIV訴訟を契機に、緊急に必要とされる医薬品を迅速に供給するための「緊急輸入」制度の創設等を内容とする改正薬事法が成立した。

正答 (5)
正答は (5)。(a)から(d)まで、すべて正しい記述です。 【(a)正しい ―― 訴訟の内容】 HIV訴訟は、血友病患者が、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)が混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟です。 血友病は、血液凝固因子が生まれつき欠けている、または少ないために、出血が止まりにくくなる病気です。治療として血液凝固因子製剤を補充しますが、その原料となる血漿にHIVが混入していました。 【(b)正しい ―― 提訴と和解の経過】
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1989年5月  大阪地裁で提訴 1989年10月 東京地裁で提訴 1995年10月 大阪地裁が和解勧告 1996年3月  東京地裁が和解勧告、両地裁で和解が成立 被告は国および製薬企業です。 【(c)正しい ―― 恒久対策】 HIV訴訟の和解を踏まえ、国は、HIV感染者に対する恒久対策として、次のような取り組みを推進しています。 エイズ治療・研究開発センターおよび拠点病院の整備 治療薬の早期提供 また、血液製剤の安全確保対策として、検査や献血時の問診の充実が図られました。 【(d)正しい ―― 緊急輸入制度の創設】 HIV訴訟を契機に、緊急に必要とされる医薬品を迅速に供給するための「緊急輸入」制度の創設等を内容とする改正薬事法が、1996年に成立し、翌年(1997年)4月に施行されました。 あわせて、承認審査体制の充実や、製薬企業に対する感染症報告の義務づけも盛り込まれました。また、血液製剤の安全確保対策として、検査や献血時の問診の充実も図られています。 【訴訟と制度の対応】 どの訴訟がどの制度につながったかは、毎年のように問われます。 サリドマイド訴訟、スモン訴訟 → 医薬品副作用被害救済制度の創設(1979年) HIV訴訟          → 緊急輸入制度の創設(1996年改正、1997年施行)、血液製剤の安全確保対策 CJD訴訟          → 生物由来製品による感染等被害救済制度の創設、生物由来製品の安全対策強化 【関連する取り組み】 国は、HIV感染者に対する恒久対策のほか、医薬品の副作用等による健康被害の再発を防止するため、薬事行政組織の再編、情報公開の推進、健康危機管理体制の確立等を行いました。 また、血液製剤の安全確保対策として、検査や献血時の問診の充実が図られました。 【サリドマイド訴訟の要点も確認】 サリドマイドは、催眠鎮静成分として、胃腸薬にも配合されていました。 妊娠している女性が摂取した場合、血液-胎盤関門を通過して胎児に移行し、胎児の血管新生を妨げることで、四肢欠損、耳の障害等の先天異常(サリドマイド胎芽症)が発生しました。 サリドマイドの光学異性体のうち、血管新生を妨げる作用は、S体のみが有するとされています。一方、催眠鎮静作用はR体のみが有するとされます。R体を分離して製剤化しても、体内でS体に転換するため、催奇形性を避けることはできません。この点も頻出です。 また、西ドイツ(当時)でレンツ博士が警告を発した後も、日本では販売停止および回収措置が約9カ月遅れたことが、行政・企業の副作用情報の収集の重要性を示す教訓とされています。

出典:登録販売者試験 令和7年度(群馬県 公表問題)出典元ページ

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