医薬品の代謝及び排泄に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。…

人体の働きと医薬品 第55問

医薬品の代謝及び排泄に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。a 医薬品の有効成分が代謝を受けると、体外へ排泄されやすい脂溶性の物質に変化する。b 経口投与後、消化管で吸収された医薬品の有効成分は、全身循環に入る前にリンパ管を経由して肝臓を通過する。c 循環血液中に存在する有効成分の多くは、未変化体又は代謝物の形で腎臓から尿中に排泄される。

正答 (3)
正答は (3)。正しいのは(c)だけです。 【(a)が誤り ―― 水溶性に変化する】 医薬品の有効成分が代謝を受けると、体外へ排泄されやすい水溶性の物質に変化します。「脂溶性」ではありません。 理由は明快です。排泄の主な経路は、腎臓から尿中です。尿は水ですから、水に溶けやすい形に変えたほうが排泄しやすいのです。 代謝によって起こることは、次の2つです。 作用を失う(不活性化) 体外へ排泄されやすい水溶性の物質に変化する なお、代謝を受けて初めて作用を持つようになる成分(プロドラッグ)もあります。
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【(b)が誤り ―― リンパ管ではなく門脈】 経口投与後、消化管で吸収された医薬品の有効成分は、全身循環に入る前に、門脈という血管を経由して肝臓を通過します。リンパ管ではありません。 これが肝初回通過効果です。 門脈  消化管で吸収された物質を肝臓へ運ぶ血管 肝初回通過効果 全身循環に入る前に肝臓で代謝を受けるため、全身循環に到達する有効成分の量が、消化管で吸収された量よりも少なくなること この仕組みがあるため、肝機能が低下した人では、医薬品を代謝する能力が低く、有効成分の血中濃度が上昇しやすく、副作用を生じやすくなります。 なお、リンパ管は、脂質の吸収に関わります。小腸で吸収された脂質は、脂肪酸とモノグリセリドに分解されて吸収された後、小腸粘膜の上皮細胞でトリグリセリドに再形成され、乳状脂粒となってリンパ管へ入ります。血管ではなくリンパ管に入る、という点が脂質の特徴です。 この対比が、まさにこの設問の狙いです。医薬品の有効成分は門脈(血管)、脂質はリンパ管と区別してください。 【(c)正しい ―― 腎臓から尿中へ】 循環血液中に存在する有効成分の多くは、未変化体または代謝物の形で腎臓から尿中に排泄されます。 未変化体とは、代謝を受けずにそのままの形のもの、という意味です。 排泄の経路は、主に次の3つです。 腎臓から尿中へ  最も主要な経路 肝臓から胆汁中へ その後、糞便中へ排泄される 乳汁中へ     授乳婦の場合、乳児に副作用を及ぼすことがある また、肺から呼気中に排出されるものもあります。 腎機能が低下した人では、正常の人よりも有効成分の尿中への排泄が遅れ、血中濃度が下がりにくいため、医薬品の効き目が過剰に現れたり、副作用を生じやすくなったりします。高齢者で副作用が出やすい理由のひとつです。 【血漿タンパク質との結合】 多くの有効成分は、血液中で血漿タンパク質(主にアルブミン)と結合して複合体を形成しています。 複合体は腎臓で濾過されないため、有効成分が循環血液中に留まりやすく、作用が持続する 複合体は薬物代謝酵素の作用も受けない 「濾過されやすく、作用が低下する」と書き換えた選択肢が出たら誤りです。

出典:登録販売者試験 令和7年度(群馬県 公表問題)出典元ページ

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