貧血用薬(鉄製剤)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。…
主な医薬品とその作用 第73問
貧血用薬(鉄製剤)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。a 一般用医薬品である貧血用薬(鉄製剤)は、貧血の症状がみられる以前から予防的に使用することが適当である。b 赤血球が酸素を運搬する上で重要なヘモグロビンの産生に必要であるビタミンB6が配合されている場合がある。c 骨髄での造血機能を高める目的で硫酸コバルトが配合されている場合がある。
- (1)a: 正 b: 誤 c: 正
- (2)a: 誤 b: 誤 c: 正
- (3)a: 誤 b: 正 c: 正
- (4)a: 正 b: 誤 c: 誤
- (5)a: 誤 b: 正 c: 誤
正答 (3)
正答は (3)。正しいのは(b)と(c)です。
【(a)が誤り ―― 予防的な使用は不適当】
貧血の症状がみられる以前から、予防的に貧血用薬(鉄製剤)を使用することは適当ではありません。
理由は2つあります。
貧血の原因が明らかでないまま使用しても、効果が期待できない(鉄欠乏性貧血以外には効かない)
鉄分の過剰摂取は、便秘、胃部不快感等の副作用を招く
貧血は、その原因となっている疾患を明らかにして、その治療を優先することが基本です。
【貧血の種類】
ビタミン欠乏性貧血 ビタミンB12が不足して生じる巨赤芽球貧血(悪性貧血)など
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鉄欠乏性貧血 体内の鉄分が不足して、ヘモグロビンが正常に産生されないことにより生じる
鉄製剤が対象とするのは、鉄欠乏性貧血だけです。
鉄欠乏性貧血の原因としては、食事の偏り(鉄分の摂取不足)のほか、消化管出血、月経血損失、妊娠・授乳期や、成長期の需要の増加などがあります。
鉄欠乏状態になると、疲労、動悸、息切れ、血色不良、頭痛、耳鳴り、めまい、微熱、顔面蒼白、口内炎等の貧血の症状が現れます。
【(b)正しい ―― ビタミンB6】
赤血球が酸素を運搬する上で重要なヘモグロビンの産生に必要なビタミンB6が配合されている場合があります。
貧血用薬に配合されるビタミン成分を整理しましょう。
ビタミンB6 ヘモグロビンの産生に必要
ビタミンB12(シアノコバラミン等)、葉酸 正常な赤血球の形成に働く
ビタミンC(アスコルビン酸等) 消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つ
【(c)正しい ―― 硫酸コバルト】
硫酸コバルトは、骨髄での造血機能を高める目的で配合されます。
コバルトは、赤血球ができる過程で必要なビタミンB12の構成成分です。
貧血用薬に配合される金属成分を整理します。
鉄分(フマル酸第一鉄、溶性ピロリン酸第二鉄、可溶性含糖酸化鉄、クエン酸鉄アンモニウム等) ヘモグロビンの産生に必要不可欠
銅(硫酸銅) ヘモグロビンの産生過程で、鉄の代謝や輸送に重要な役割を持つ
コバルト(硫酸コバルト) 骨髄での造血機能を高める
マンガン(硫酸マンガン) 糖質・脂質・タンパク質の代謝をする際に働く酵素の構成成分
マンガンだけが血液づくりから外れる、という点が差し替えの狙い目です。
【服用上の注意】
鉄製剤を服用すると、便が黒くなることがあるが、使用の中止を要する副作用等の異常ではない
ただし、服用前から便が黒い場合は、消化管出血の可能性もある
消化器系への副作用を軽減するには、食後に服用するのが望ましい
服用の前後30分にタンニン酸を含む緑茶、紅茶、コーヒー、ワイン、柿等を摂取すると、タンニン酸と反応して鉄の吸収が悪くなることがある
複数の貧血用薬と併用すると、鉄分の過剰摂取となり、胃腸障害や便秘等の副作用が起こりやすくなる
出典:登録販売者試験 令和7年度(群馬県 公表問題)出典元ページ
最終更新日
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