ヒスタミン、ヒスタミンに類似した物質及び抗ヒスタミン成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。…
主な医薬品とその作用 第78問
ヒスタミン、ヒスタミンに類似した物質及び抗ヒスタミン成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。a 生体内情報伝達物質であるヒスタミンは、脳の下部にある睡眠・覚醒に関与する部位で神経細胞の刺激を介して、覚醒の維持や調節を行う働きを担っている。b 食品が傷むとヒスタミンやヒスタミンに類似した物質(ヒスタミン様物質)が生成することがあり、そうした食品を摂取することによって生じる蕁麻疹もある。c 抗ヒスタミン成分は、ヒスタミンの働きのみを選択的に抑えるので、排尿困難の症状がある人、緑内障の診断を受けた人も問題なく使用できる。d 肥満細胞から遊離したヒスタミンは、周囲の器官などに分布する特定のタンパク質(受容体)と反応することで、血管収縮作用を示す。
- (1)a: 正 b: 誤 c: 正 d: 誤
- (2)a: 正 b: 正 c: 誤 d: 正
- (3)a: 誤 b: 誤 c: 誤 d: 正
- (4)a: 正 b: 正 c: 誤 d: 誤
- (5)a: 誤 b: 正 c: 正 d: 正
正答 (4)
正答は (4)。正しいのは(a)と(b)です。
【(a)正しい ―― ヒスタミンと覚醒】
生体内情報伝達物質であるヒスタミンは、脳の下部にある睡眠・覚醒に関与する部位で、神経細胞の刺激を介して、覚醒の維持や調節を行う働きを担っています。
これが、抗ヒスタミン成分に眠気の副作用がある理由です。ヒスタミンが覚醒を保っているのですから、その働きを抑えれば眠くなる。仕組みから導けます。
逆に、ジフェンヒドラミン塩酸塩が睡眠改善薬として用いられるのは、この作用を積極的に利用したものです。
【(b)正しい ―― 食品によるヒスタミン】
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食品が傷むとヒスタミンやヒスタミンに類似した物質(ヒスタミン様物質)が生成することがあり、そうした食品を摂取することによって生じる蕁麻疹もあります。
アレルギー体質でなくても、傷んだ魚などを食べて蕁麻疹が出ることがあるのは、このためです。
【(c)が誤り ―― 抗コリン作用も示す】
抗ヒスタミン成分は、ヒスタミンの働きを抑える作用以外に、抗コリン作用も示すため、排尿困難や口渇、便秘等の副作用が現れることがあります。
したがって、排尿困難の症状がある人、緑内障の診断を受けた人では、症状の悪化を招くおそれがあり、使用する前に相談する必要があります。「問題なく使用できる」とする設問は誤りです。
「選択的に」「〜のみを」といった限定語が入っている選択肢は、まず疑ってください。
【(d)が誤り ―― 血管拡張が正しい】
肥満細胞から遊離したヒスタミンは、周囲の器官や組織の表面に分布する特定のタンパク質(受容体)と反応することで、血管拡張、血管透過性亢進等の作用を示します。「血管収縮作用」ではありません。
仕組みを理解しておきましょう。
血管拡張 → 皮膚の発赤、目の充血
血管透過性亢進 → 血漿タンパク質が組織中に漏出して、腫れ(浮腫)を生じる
アレルギーで赤くなり、腫れるのは、この2つの作用によるものです。血管が縮んだら、赤くも腫れもしません。症状から考えれば、拡張であることが分かります。
なお、肥満細胞は、その名に反して肥満とは関係がなく、アレルギー反応でヒスタミンを放出する細胞です。
【アレルギーの仕組み】
アレルゲンが体内に入る
肥満細胞が刺激され、ヒスタミン等の物質が遊離する
ヒスタミンが受容体と反応し、血管拡張、血管透過性亢進等を引き起こす
発赤、腫れ、痒み等の症状が現れる
この流れのどこで働くかで、成分の分類が決まります。
抗アレルギー成分(クロモグリク酸ナトリウム) ヒスタミンの遊離を抑える(出る前に止める)
抗ヒスタミン成分 遊離したヒスタミンが受容体と反応するのを妨げる(出た後に止める)
【アレルギーの原因】
アレルゲンとなりうるものには、小麦、卵、乳、そば、落花生等の食品、ハウスダスト(室内塵)、家庭用品(洗剤、化粧品等)などがあります。
また、アレルギー症状を軽減するには、日常生活におけるアレルゲンの除去・回避といった根源的な対応が図られることが重要です。
出典:登録販売者試験 令和7年度(群馬県 公表問題)出典元ページ
最終更新日
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