皮膚に用いる消毒薬とその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。…
主な医薬品とその作用 第92問
皮膚に用いる消毒薬とその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。a アクリノールは、真菌、結核菌、ウイルスに対して殺菌消毒作用を示すが、連鎖球菌、黄色ブドウ球菌に対する殺菌消毒作用はない。b クロルヘキシジングルコン酸塩は、結核菌やウイルスに対する殺菌消毒作用を示す。c ヨウ素系殺菌消毒成分は、外用薬として用いた場合でも、まれにショック(アナフィラキシー)のような全身性の重篤な副作用を生じることがある。
- (1)a: 正 b: 誤 c: 正
- (2)a: 誤 b: 誤 c: 正
- (3)a: 誤 b: 正 c: 正
- (4)a: 正 b: 正 c: 誤
- (5)a: 正 b: 誤 c: 誤
正答 (2)
正答は (2)。正しいのは(c)だけです。
殺菌消毒成分については、何に効いて何に効かないかという抗菌スペクトルが問われます。表にして覚えてください。
【(a)が誤り ―― アクリノールは逆】
アクリノールは、一般細菌類の一部(連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌)に対する殺菌消毒作用を示しますが、真菌、結核菌、ウイルスに対しては効果がありません。
設問は、効くものと効かないものが完全に入れ替わっています。
アクリノールは、黄色の色素で、比較的刺激性が低く、創傷患部にしみにくいという特徴があります。ただし、衣類等に付着すると黄色く着色し、脱色しにくいという点にも注意が必要です。
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【(b)が誤り ―― 結核菌とウイルスには効かない】
クロルヘキシジングルコン酸塩は、一般細菌類、真菌類に対して比較的広い殺菌消毒作用を示しますが、結核菌やウイルスに対する殺菌消毒作用はありません。
【殺菌消毒成分の抗菌スペクトル】
アクリノール 一般細菌類の一部(化膿菌)のみ。真菌、結核菌、ウイルスには効かない
オキシドール(過酸化水素水) 一般細菌類の一部。作用の持続性は乏しく、また、組織への浸透性も低い
クロルヘキシジングルコン酸塩 一般細菌類、真菌類。結核菌、ウイルスには効かない
ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、セチルピリジニウム塩化物 一般細菌類、真菌類。結核菌、ウイルスには効かない
ヨウ素系(ポビドンヨード、ヨードチンキ) 結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスと広範囲
エタノール、イソプロパノール 結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルス
ヨウ素系とアルコール類だけがウイルスに効く、と押さえるのが早道です。
ヨウ素系は、その殺菌力がアルカリ性になると低下するため、石けんとの混合により殺菌作用が低下する点にも注意してください。石けんで洗浄した後に使用する場合には、石けん分をよく洗い流す必要があります。
【(c)正しい ―― ヨウ素系とアナフィラキシー】
ヨウ素系殺菌消毒成分は、外用薬として用いた場合でも、まれにショック(アナフィラキシー)のような全身性の重篤な副作用を生じることがあります。
外用だから全身の副作用はない、とは言えないのです。これはヨウ素系に限らず、外用薬全般に通じる考え方です。
ヨウ素系のその他の注意です。
ヨウ素は、甲状腺におけるホルモン産生に影響を及ぼす可能性がある
妊娠中は、ヨウ素の一部が血液-胎盤関門を通過して胎児に移行する
母乳中に移行する
ヨードチンキは、ヨウ素およびヨウ化カリウムをエタノールに溶解させたもので、皮膚刺激性が強く、粘膜(口唇等)や目の周りへの使用は避ける必要がある
ポビドンヨードは、ヨウ素をポリビニルピロリドン(ポビドン)と呼ばれる担体に結合させて水溶性とし、徐々にヨウ素が遊離して殺菌作用を示すようにしたもの
【創傷への対応】
出血しているときは、創傷部に清潔なガーゼ等を当てて、圧迫して止血する(5分間程度)
火傷(熱傷)の場合は、できるだけ早く水道水などで熱傷部を冷やす
創傷面が汚れている場合は、水道水などきれいな水でよく洗い流す
殺菌消毒薬を繰り返し使用すると、皮膚常在菌が殺菌されて、かえって治癒しにくくなったり、状態を悪化させたりすることがある
出典:登録販売者試験 令和7年度(群馬県 公表問題)出典元ページ
最終更新日
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