ニコチン置換療法に使用される禁煙補助剤に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。…
主な医薬品とその作用 第53問
ニコチン置換療法に使用される禁煙補助剤に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。a 咀嚼剤は、口腔内が酸性になるとニコチンの吸収が増加するため、コーヒーや炭酸飲料など口腔内を酸性にする食品を摂取した後、しばらくは使用を避けることとされている。b 脳梗塞・脳出血等の急性期脳血管障害、重い心臓病等の基礎疾患がある人(3ヶ月以内の心筋梗塞発作がある人、重い狭心症や不整脈と診断された人)では、使用を避ける必要がある。c 医薬品の販売等に従事する専門家においては、禁煙補助剤の使用により禁煙達成が困難なほどの重度の依存を生じている場合には、ニコチン依存症の治療を行う禁煙外来の受診を勧めることも考慮に入れるべきである。d 咀嚼剤は、大量に使用しても禁煙達成が早まるものでなく、かえってニコチン過剰摂取による副作用のおそれがあるため、1度に2個以上の使用は避ける必要がある。
- (1)a: 正 b: 正 c: 正 d: 誤
- (2)a: 正 b: 正 c: 誤 d: 正
- (3)a: 正 b: 誤 c: 正 d: 正
- (4)a: 誤 b: 正 c: 正 d: 正
- (5)a: 正 b: 正 c: 正 d: 正
正答 (4)
正答は (4)。組み合わせは a 誤、b 正、c 正、d 正 です。
【(a)が誤り ―― 酸性では吸収が「低下」する】
咀嚼剤は、口腔内が酸性になるとニコチンの吸収が低下するため、コーヒーや炭酸飲料など口腔内を酸性にする食品を摂取した後、しばらくは使用を避けることとされています。問題文は「吸収が増加する」としていますので誤りです。
ニコチンは口腔粘膜から吸収されるのですが、酸性の環境ではイオン化して粘膜を通りにくくなります。結果として、効き目が弱くなってしまいます。
口腔内を酸性にする食品として、コーヒー、炭酸飲料、ジュースが挙げられます。3つ並べて覚えてください。
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【(b)正しい ―― 重い心臓病等では使用を避ける】
脳梗塞・脳出血等の急性期脳血管障害、重い心臓病等の基礎疾患がある人(3か月以内の心筋梗塞発作がある人、重い狭心症や不整脈と診断された人)では、使用を避ける必要があります。記述のとおりです。
3か月以内という期間がそのまま問われますので、覚えてください。
禁煙補助剤について、使用を避けるべき人をまとめておきます。
非喫煙者
妊婦又は妊娠していると思われる女性、母乳を与える女性
重い心臓病等の基礎疾患がある人(3か月以内の心筋梗塞発作、重い狭心症、重い不整脈)
急性期脳血管障害(脳梗塞・脳出血等)の診断を受けた人
うつ病と診断されたことのある人 …… 禁煙時の離脱症状により、うつ症状を悪化させることがある
また、次の人は使用前に相談が必要です。心臓疾患、脳血管障害、高血圧、甲状腺機能障害、褐色細胞腫、糖尿病(インスリン製剤を使用している人)、咽頭炎、食道炎、胃・十二指腸潰瘍、肝臓病、腎臓病の診断を受けた人などです。
【(c)正しい ―― 禁煙外来の受診を勧める】
禁煙補助剤の使用により禁煙達成が困難なほどの重度の依存を生じている場合には、ニコチン依存症の治療を行う禁煙外来の受診を勧めることも考慮に入れるべきです。記述のとおりです。
市販の禁煙補助剤で対処しきれない場合には、医療につなぐ、という判断です。第3章の設問であっても、受診勧奨が正しい対応になる場面は多くあります。
なお、禁煙補助剤は、添付文書で定められた期限を超えて使用しないこととされています。長く使い続けるものではありません。
【(d)正しい ―― 1度に2個以上使わない】
咀嚼剤は、大量に使用しても禁煙達成が早まるものではなく、かえってニコチン過剰摂取による副作用のおそれがあるため、1度に2個以上の使用は避ける必要があります。記述のとおりです。
咀嚼剤の使い方について、あわせて押さえておきましょう。
ゆっくりと断続的に噛む …… 菓子のガムのように噛むと唾液が多く出て、ニコチンが飲み込まれてしまう
飲み込まれたニコチンは吸収されにくい …… 効果が得られないばかりか、吐きけや腹痛の原因になる
顎の関節に障害がある人では、咀嚼剤の使用を避ける
使用中又は使用直後の喫煙を避ける …… 血中のニコチン濃度が急激に高まるおそれ
【ニコチンの作用と相互作用】
ニコチンは交感神経系を興奮させる作用を示します。したがって、アドレナリン作動成分が配合された医薬品(鎮咳去痰薬、鼻炎用薬、痔疾用薬等)との併用により、その作用を増強させるおそれがあります。向きを逆にした選択肢が頻出です。
出典:登録販売者試験 令和6年度(愛知県 公表問題)出典元ページ
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