胃及び小腸に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。…
人体の働きと医薬品 第62問
胃及び小腸に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。a 空腸で分泌される腸液(粘液)に、腸管粘膜上の消化酵素が加わり、消化液として働く。b 食道から胃に内容物が送られてくると、その刺激に反応して胃壁の横紋筋が弛緩し、容積が拡がる。c 脂質(トリグリセリド)は、消化酵素(リパーゼ)の作用によって分解を受けるが、小腸粘膜の上皮細胞で吸収されると脂質に再形成され、乳状脂粒(リポタンパク質の一種でカイロミクロンとも呼ばれる)となる。d 胃内に滞留する時間は、炭水化物主体の食品の場合には比較的長く、脂質分の多い食品の場合には比較的短い。
- (1)(a、b)
- (2)(a、c)
- (3)(b、d)
- (4)(c、d)
正答 (2)
正答は (2)。正しいのは(a)(c)の2つです。
【(a)正しい ―― 腸液と腸管粘膜上の消化酵素】
空腸で分泌される腸液(粘液)に、腸管粘膜上の消化酵素が加わり、消化液として働きます。記述のとおりです。
小腸の粘膜表面には消化酵素が備わっており、そこへ腸液が加わることで消化が進みます。
小腸について、あわせて押さえるべき点をまとめておきます。
全長6〜7メートルの管状の臓器
十二指腸、空腸、回腸の3部分に分かれる
十二指腸 …… 胃から続く約25センチメートルのC字型の部分。膵管と胆管が開口する
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空腸と回腸 …… 明確な境目はなく、概ね上部40パーセントが空腸、残り60パーセントが回腸
輪状のひだがあり、粘膜表面は絨毛(柔突起)に覆われている …… 表面積を広げて吸収を効率よくする
【(b)が誤り ―― 胃壁は平滑筋】
食道から胃に内容物が送られてくると、その刺激に反応して胃壁の平滑筋が弛緩し、容積が拡がります。横紋筋ではありません。
筋組織の分類を復習しておきましょう。
骨格筋 …… 横紋あり / 随意筋 / 体性神経系が支配
平滑筋 …… 横紋なし / 不随意筋 / 自律神経系が支配。消化管、血管、膀胱などの内臓
心筋 …… 横紋あり / 不随意筋 / 自律神経系が支配
消化管の壁は平滑筋です。自分の意思で胃を動かすことはできませんので、不随意筋であることからも導けます。
【(c)正しい ―― 脂質の吸収と乳状脂粒】
脂質(トリグリセリド)は、消化酵素(リパーゼ)の作用によって分解を受けますが、小腸粘膜の上皮細胞で吸収されると脂質に再形成され、乳状脂粒(リポタンパク質の一種でカイロミクロンとも呼ばれる)となります。記述のとおりです。
脂質は、いったん分解されてから吸収され、細胞の中でもう一度組み立て直される、という少し変わった経路をたどります。
なお、脂質の消化には胆汁酸塩が必要です。胆汁酸塩が脂肪を細かい粒に分散させる(乳化する)ことで、リパーゼが働きやすくなります。
炭水化物やタンパク質との違いも押さえておきましょう。
炭水化物 …… ブドウ糖などの単糖類に分解されて吸収される
タンパク質 …… アミノ酸に分解されて吸収される
脂質 …… 脂肪酸とモノグリセリドに分解されて吸収され、再び脂質に再形成される
【(d)が誤り ―― 長短が逆】
胃内に滞留する時間は、炭水化物主体の食品の場合には比較的短く、脂質分の多い食品の場合には比較的長いとされています。問題文は逆ですので誤りです。
脂っこいものを食べると胃がもたれる、という日常の感覚と一致します。脂質は消化に時間がかかるため、胃に長くとどまるわけです。
なお、胃内容物の滞留時間は、炭水化物主体の食品では比較的短く、脂質分の多い食品では比較的長いという点は、食後に服用する医薬品の吸収にも関わってきます。
出典:登録販売者試験 令和6年度(愛知県 公表問題)出典元ページ
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