消化器系に現れる副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。…
人体の働きと医薬品 第78問
消化器系に現れる副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。a 腸管自体は閉塞していなくても、医薬品の作用によって腸管運動が麻痺して腸内容物の通過が妨げられると、激しい腹痛やガス排出(おなら)の停止、嘔吐、腹部膨満感を伴う著しい便秘などの症状が現れる。b 医薬品の使用が原因と考えられるイレウス様症状(腸閉塞様症状)が悪化すると、腸内容物の逆流による嘔吐が原因で脱水症状を呈したり、腸内細菌の異常増殖によって全身状態の衰弱が急激に進行する可能性がある。c 消化性潰瘍になると、胃のもたれ、食欲低下、胸やけ、吐きけ、胃痛、空腹時にみぞおちが痛くなる、消化管出血に伴って糞便が黒くなるなどの症状が現れる。自覚症状が乏しい場合もあり、貧血症状(動悸や息切れ等)の検査時や突然の吐血・下血によって発見されることもある。d 浣腸剤や坐剤の使用によって現れる一過性の症状に、肛門部の熱感等の刺激、異物の注入による不快感、排便直後の立ちくらみなどがある。
- (1)a: 正 b: 正 c: 正 d: 誤
- (2)a: 正 b: 正 c: 誤 d: 正
- (3)a: 正 b: 誤 c: 正 d: 正
- (4)a: 誤 b: 正 c: 正 d: 正
- (5)a: 正 b: 正 c: 正 d: 正
正答 (5)
正答は (5)。a〜d はすべて正しい記述です。
消化器系の副作用は、イレウス様症状、消化性潰瘍、浣腸剤・坐剤による一過性の症状の3つに整理して覚えてください。
【(a)正しい ―― イレウス様症状の症状】
腸管自体は閉塞していなくても、医薬品の作用によって腸管運動が麻痺して腸内容物の通過が妨げられると、激しい腹痛やガス排出(おなら)の停止、嘔吐、腹部膨満感を伴う著しい便秘などの症状が現れます。記述のとおりです。
これをイレウス様症状(腸閉塞様症状)といいます。腸管自体は詰まっていないのに、詰まったのと同じ症状が出るという点が「様症状」と呼ばれる理由です。
解説の続きをみる続きを閉じる
【(b)正しい ―― イレウス様症状の悪化】
医薬品の使用が原因と考えられるイレウス様症状が悪化すると、腸内容物の逆流による嘔吐が原因で脱水症状を呈したり、腸内細菌の異常増殖によって全身状態の衰弱が急激に進行する可能性があります。記述のとおりです。
イレウス様症状について、次の点もあわせて押さえてください。
小児や高齢者のほか、普段から便秘傾向のある人は、発症のリスクが高い
下痢治療薬の使用によって、イレウス様症状が発症することがある
悪化すると、生命に関わることもある
原因となる医薬品としては、ロペラミド塩酸塩(止瀉薬)、抗コリン成分などが知られています。
【(c)正しい ―― 消化性潰瘍の症状】
消化性潰瘍になると、胃のもたれ、食欲低下、胸やけ、吐きけ、胃痛、空腹時にみぞおちが痛くなる、消化管出血に伴って糞便が黒くなるなどの症状が現れます。また、自覚症状が乏しい場合もあり、貧血症状(動悸や息切れ等)の検査時や突然の吐血・下血によって発見されることもあります。記述のとおりです。
消化性潰瘍とは、胃や十二指腸の粘膜組織が傷害されて、粘膜より深部に及ぶ損傷を生じた状態をいいます。
糞便が黒くなるのは、消化管出血の兆候です。鉄製剤の服用で便が黒くなるのとは別ですので、聴き取りで区別する必要があります。
原因となる医薬品としては、イブプロフェン、アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症成分が代表的です。胃・十二指腸潰瘍の既往歴がある人では、使用前に相談が必要とされています。
【(d)正しい ―― 浣腸剤・坐剤による一過性の症状】
浣腸剤や坐剤の使用によって現れる一過性の症状には、肛門部の熱感等の刺激、異物の注入による不快感、排便直後の立ちくらみなどがあります。記述のとおりです。
排便直後の立ちくらみは、グリセリンが配合された浣腸薬で問題になる血圧低下によるものです。体力の衰えている高齢者や、心臓に基礎疾患のある人で特に現れやすいとされています。
これらは一過性の症状ですが、症状が続く場合や悪化する場合には、使用を中止して医師の診療を受けるよう助言してください。
なお、注入剤の使用時には、薬液を人肌程度に温めておくと、不快感を生じることが少なくなります。実務上の工夫として覚えておきましょう。
出典:登録販売者試験 令和6年度(愛知県 公表問題)出典元ページ
この問題と解説は当サイトの責任で掲載しています。解説は愛知県の見解ではありません。内容について、愛知県へのお問い合わせはできません。
最終更新日
「人体の働きと医薬品」のほかの問題
- 令和7年度 第78問医薬品の副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
- 令和5年度 第64問呼吸器系に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
- 令和5年度 第70問脳や神経系の働きに関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
- 令和5年度 第76問皮膚に現れる副作用に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
- 令和7年度 第62問肝臓に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
- 令和7年度 第68問鼻及び耳に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
スポンサーリンク

