次の医薬品の吸収部位のうち、吸収された有効成分が全身循環に入る前に肝臓で代謝を受けるものはどれか。…

人体の働きと医薬品 第77問

次の医薬品の吸収部位のうち、吸収された有効成分が全身循環に入る前に肝臓で代謝を受けるものはどれか。

正答 (2)
正答は (2)。小腸です。 【なぜ小腸だけが該当するのか】 経口投与された医薬品の有効成分は、主に小腸で吸収されます。そして、消化管で吸収された有効成分は、門脈という血管を経由して、まず肝臓を通過します。 ここで代謝を受けてから全身循環に入る、これが肝初回通過効果です。そのため、全身循環に移行する有効成分の量は、消化管で吸収された量よりも少なくなります。 問われているのは「全身循環に入る前に肝臓で代謝を受けるもの」です。したがって答えは小腸です。 【誤りの選択肢 ―― いずれも肝臓を通らずに全身へ回る】
解説の続きをみる続きを閉じる
残りの四つは、吸収された部位の粘膜(または皮膚)の下にある毛細血管から、直接、全身循環に入ります。門脈を通らないため、肝臓で代謝を受ける前に全身に分布します。 (1) 皮膚   塗り薬や貼り薬の成分が皮膚から吸収される場合、皮膚の下にある毛細血管から循環血液中に移行します。   適用部位から吸収されて全身に分布するため、全身性の副作用が生じることがある点に注意が必要です。 (3) 口腔   舌下錠やニコチン置換療法の咀嚼剤など、口腔粘膜から   吸収されるものです。肝初回通過効果を受けずに全身に分布するため、抗狭心症薬のニトログリセリンのように速やかな効果が求められる薬剤に用いられます。 (4) 直腸(直腸上部を除く。)   坐剤は、直腸内で溶解し、有効成分が直腸粘膜から   吸収されます。直腸の粘膜下には静脈が豊富に分布して血管に入りやすく、肝臓で代謝を受ける前に全身に分布します。そのため、内服薬よりも全身作用が速やかに現れます。 (5) 鼻腔   点鼻薬は鼻粘膜から吸収されます。一般用医薬品の点鼻薬には、局所作用を目的としたものしかありませんが、鼻腔粘膜の下には毛細血管が豊富なため、循環血液中に入りやすく、全身的な副作用を生じることがあります。 【覚え方】 門脈につながっているのは消化管だけです。口から飲み込んで胃・小腸で吸収されたものは、必ず肝臓という関所を通ります。それ以外の入口(皮膚、口の中、お尻、鼻)は、関所を素通りして全身へ回ると覚えてください。 この「素通り」には利点と欠点があります。利点は、肝臓で壊されないため効き目が速く、確実なこと。欠点は、肝臓の解毒を受けないため、思わぬ全身性の副作用が出やすいことです。 【引っかけどころ】 直腸は、選択肢に「直腸上部を除く」という括弧書きがついています。これは、直腸の上部からの血流は門脈に入るためです。設問がわざわざ断っているのは、そこを除いた直腸の下部についての話だ、という意味です。細かい点ですが、括弧書きを読み飛ばさないでください。 なお、鼻腔粘膜から吸収された成分が全身に回る点は、点鼻薬でも全身性の副作用が起こりうるという話につながります。「局所に使うから安全」とは言えません。

出典:登録販売者試験 令和7年度(愛知県 公表問題)出典元ページ

この問題と解説は当サイトの責任で掲載しています。解説は愛知県の見解ではありません。内容について、愛知県へのお問い合わせはできません。

最終更新日

この回を通しで解く この分野を年度横断で解く

「人体の働きと医薬品」のほかの問題

  1. 令和6年度 第77問精神神経系に現れる副作用に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
  2. 令和5年度 第63問大腸に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
  3. 令和5年度 第69問骨格系及び筋組織に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
  4. 令和5年度 第75問全身的に現れる副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
  5. 令和6年度 第61問消化器系に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
  6. 令和6年度 第67問目に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。なお、

問題文・解答の修正依頼

スポンサーリンク