次の記述は、通関業法第15条に規定する更正に関する意見の聴取及び同法第16条に規定する検査の通知に関するものであるが、そ…
通関業法 通関業法 第8問
次の記述は、通関業法第15条に規定する更正に関する意見の聴取及び同法第16条に規定する検査の通知に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
- (1)税関長は、通関業者が他人の依頼に応じて税関官署に対してした納税の申告について更正をすべき場合であっても、当該更正が当該申告に係る貨物の関税率表の適用上の所属の相違に基因して納付すべき関税の額を増加するものであるときは、当該通関業者に対し、当該相違に関し意見を述べる機会を与えることを要しない。
- (2)税関長は、通関業者が他人の依頼に応じて税関官署に対してした納税の申告について更正をすべき場合において、当該更正が計算の誤りに基因して納付すべき関税の額を増加するものであるときは、当該通関業者に対し、当該相違に関し意見を述べる機会を与えなければならない。
- (3)税関長は、通関業者が他人の依頼に応じて税関官署に対してした納税の申告について更正をすべき場合において、当該更正が当該申告に係る貨物の課税価格の相違に基因して納付すべき関税の額を減少するものであるときは、当該通関業者に対し、当該相違に関し意見を述べる機会を与えなければならない。
- (4)通関業法第15条の規定に基づく更正に関する意見の聴取は、通関士が設置されている場合にあっては、原則として通関士から行い、その他の場合にあっては、営業所の責任者又はこれに準ずる者から行うこととされている。
- (5)税関長は、通関業者の行う通関手続に関し、税関職員に関税法第43条の4第1項の保税蔵置場に外国貨物を置くことの承認の際の検査をさせるときは、当該通関業者又はその従業者の立会いを求めるため、その旨を当該通関業者に通知しなければならない。
正答 (4)(5)
正答は、(4)、(5) の二つです。
【更正に関する意見の聴取(第15条)】
通関業法第15条は、通関業者が他人の依頼に応じてした納税の申告について税関長が更正をしようとする場合に、一定の要件を満たすときは、あらかじめ当該通関業者に意見を述べる機会を与えなければならないと定めています。条文の要件は三つに分解できます。
第一に、関税率表の適用上の所属または課税価格の相違、その他関税に関する法令の適用上の解釈の相違に基因すること。
第二に、納付すべき関税の額を増加させる更正であること。
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第三に、ただし書により、計算または転記の誤りその他これに類する客観的に明らかな誤りに基因する場合は除かれること。
この制度の趣旨は、専門家である通関業者の判断が絡む「解釈の食い違い」について、一方的に更正される前に言い分を述べさせ、手続の公正を担保することにあります。単なる計算ミスには争う余地がないので、除外されているわけです。
【各選択肢の検討】
(1) 誤りです。関税率表の適用上の所属の相違は、まさに第15条本文が名指ししている事由であり、それに基因して税額が増加するのですから、意見を述べる機会を与えなければなりません。「与えることを要しない」とする点が逆になっています。
(2) 誤りです。計算の誤りに基因する増額更正は、第15条ただし書によって意見の聴取の対象から外れます。客観的に明らかな誤りであり、意見を聴く実益がないためです。
(3) 誤りです。第15条は「納付すべき関税の額を増加するもの」に限っています。減額更正は納税者に不利益を与えないので、意見の聴取は要りません。増加か減少かは必ず読み違えないよう気をつけてください。
(4) 正しい記述です。意見の聴取を誰から行うかについては、通関士が置かれている場合は原則として通関士から、その他の場合は営業所の責任者またはこれに準ずる者から行うこととされています。書類を審査し記名した本人から聴くのが筋である、という考え方です。
【検査の通知(第16条)】
(5) 正しい記述です。第16条は、通関業者の行う通関手続に関し、税関職員に関税法第67条の検査その他これに準ずる政令で定める検査をさせるときは、通関業者またはその従業者の立会いを求めるため、その旨を通関業者に通知しなければならないと定めます。政令で定める検査は通関業法施行令第7条に列挙されており、その第2号が関税法第43条の4第1項の検査、すなわち保税蔵置場に外国貨物を置くことの承認の際の検査です。同号は関税法第61条の4および第62条の15において準用される場合も含みます。したがって本肢は条文どおりです。
【混同しやすい点】
第15条の意見の聴取も第16条の通知も、それを欠いたからといって更正や検査に係る処分の効力が左右されるわけではありません。第21条がその旨を明記しています。あわせて押さえておきましょう。
出典:第57回 通関士試験 通関業法 第8問(財務省 税関 公表)出典元ページ
最終更新日
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