次の記述は、関税定率法に規定する関税の軽減、免除又は払戻しに関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選…
関税法等 関税法等 第12問
次の記述は、関税定率法に規定する関税の軽減、免除又は払戻しに関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
- (1)輸入貨物が、輸入申告の後、輸入の許可前に損傷した場合においては、関税定率法第10条第1項(変質、損傷等の場合の減税又は戻し税等)の規定により、当該貨物の損傷による価値の減少に基づく価格の低下率を基準として、その関税の軽減を受けることができない。
- (2)輸入の許可を受けた貨物が、輸入の許可後引き続き、保税地域に置かれている間に、災害により滅失した場合においては、関税定率法第10条第2項(変質、損傷等の場合の減税又は戻し税等)の規定により、その関税(附帯税を除く。)の全部の払戻しを受けることができる。
- (3)国際親善のため、国にその用に供するものとして寄贈される物品で輸入されるものは、その輸入の許可の日から2年以内にその用途以外の用途に供される場合であっても、関税定率法第15条第1項(特定用途免税)の規定により、その関税の免除を受けることができる。
- (4)赤十字国際機関から日本赤十字社に寄贈された器具で、日本赤十字社が直接医療用に使用するものと認められるもので輸入され、その輸入の許可の日から2年以内にその用途以外の用途に供されないものについては、関税定率法第15条第1項(特定用途免税)の規定により、その関税の免除を受けることができる。
- (5)本邦にある外国の大使館又は公使館に属する公用品で輸入されるものについては、相互条件により関税の免除に制限がある場合を除き、関税定率法第16条第1項(外交官用貨物等の免税)の規定により、その関税の免除を受けることができる。
正答 (2)(4)(5)
正答は、(2)、(4)、(5) の三つです。
【関税定率法第10条の減税と戻し税】
第10条第1項は、輸入貨物が輸入の許可(許可前引取りの承認を受けた貨物についてはその承認)前に変質し、または損傷した場合に、その価値の減少に基づく価格の低下率を基準として関税を軽減することができると定めています。ただし書は、輸入申告等の時までに変質・損傷していた場合について、価格の低下率を基準とする軽減を認めない旨を定めています。申告の時点で既に傷んでいたのであれば、その状態の価格で課税価格を計算すればよく、重ねて軽減する必要がないからです。
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第10条第2項は、輸入の許可を受けた貨物が、許可後引き続き保税地域等に置かれている間に、災害その他やむを得ない理由により滅失し、または変質・損傷した場合に、関税の全部または一部を払い戻すことができると定めています。
【各選択肢の検討】
(1) 誤りです。輸入申告の後、輸入の許可前に損傷した場合は、第10条第1項ただし書の場面ではありません。したがって価格の低下率を基準とする関税の軽減を受けることができます。ただし書が適用されるのは「輸入申告等の時までに」変質・損傷した場合ですから、申告の前か後かで結論が分かれます。
(2) 正しい記述です。輸入の許可後引き続き保税地域に置かれている間に災害により滅失したのですから、第10条第2項により関税の全部の払戻しを受けることができます。
(3) 誤りです。関税定率法第15条第1項第3号の2は、国際親善のため国または地方公共団体にその用に供するものとして寄贈される物品を特定用途免税の対象としていますが、同項柱書は「輸入の許可の日から二年以内に当該各号に掲げる用途以外の用途に供されないもの」を免税の条件としています。2年以内に用途外に供されるのであれば免除は受けられず、同条第2項により、用途外に供した者から免除を受けた関税が直ちに徴収されます。
(4) 正しい記述です。第15条第1項第5号は、赤十字国際機関または外国赤十字社から日本赤十字社に寄贈された機械および器具で、日本赤十字社が直接医療用に使用するものと認められるものを掲げています。2年以内に用途外に供されないという条件も満たしていますから、免除を受けることができます。
(5) 正しい記述です。第16条第1項第1号は、本邦にある外国の大使館、公使館その他これらに準ずる機関に属する公用品について関税を免除すると定め、ただし書で、外国にある本邦のこれらの機関に属する公用品についての関税の免除に制限を付する国については相互条件による旨を定めています。本肢はこの構造をそのまま述べたものです。
【2年という期間について】
特定用途免税(第15条)と外交官用貨物等の免税(第16条)は、いずれも輸入の許可の日から2年以内に用途外に供された場合に関税が徴収されます。用途を限って免税する以上、一定期間はその用途に縛るという考え方です。再輸出免税(第17条)の輸出期間や、他の減免税の期間とは趣旨が異なりますので、数字だけでなく制度の目的とあわせて覚えてください。
出典:第57回 通関士試験 関税法等 第12問(財務省 税関 公表)出典元ページ
最終更新日
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