次の記述は、関税の徴収及び関税の担保の提供、輸入差止申立てに係る供託並びに輸入者に対する調査の事前通知に関するものである…
関税法等 関税法等 第18問
次の記述は、関税の徴収及び関税の担保の提供、輸入差止申立てに係る供託並びに輸入者に対する調査の事前通知に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。
- (1)税関長は、納税義務者が偽りその他不正の行為により関税を免れたと認められる場合において、納付すべき税額の確定した関税でその納期限までに完納されないと認められるものがあるときは、その納期限を繰り上げ、その納付を請求することができることとされている。
- (2)金地金その他の貴金属であって換価の容易なものは、関税の担保として提供することが認められる。
- (3)関税の担保を提供した者は、担保物を変更する場合において、変更後に提供しようとする担保物が変更前の担保物の価額に相当する金銭であるときは、その旨を税関長に届け出ることとされているが、変更後に提供しようとする担保物が金銭以外のものであるときは、税関長の承認を受けなければならないこととされている。
- (4)税関長が、特許権に係る輸入差止申立てを受理した場合において、その申立てに係る貨物についての認定手続が終了するまでの間当該貨物が輸入されないことにより当該貨物を輸入しようとする者が被るおそれがある損害の賠償を担保するため、当該申立てをした特許権者に対し、相当と認める額の金銭をその指定する供託所に供託すべき旨を命じたときは、当該特許権者は、その特許権を目的として設定した質権をもって当該金銭に代えることができる。
- (5)税関長は、税関の当該職員に輸入者に対し実地の調査において関税法第105条第1項第6号の規定による質問検査等を行わせる場合には、あらかじめ、当該輸入者に対し、その調査を行う旨、調査を開始する日時、調査を行う場所、調査を行う理由、調査の対象となる期間等を口頭ではなく書面により通知しなければならない。
- (6)正しい記述はない
正答 (1)
正答は (1)。
【各選択肢の検討】
(1) 正しい記述です。関税法第11条により、関税の徴収については国税徴収の例によることとされ、繰上請求についても国税通則法の規定が働きます。同法は、納税者が偽りその他不正の行為により国税を免れた場合において、納付すべき税額の確定した国税でその納期限までに完納されないと認められるものがあるときは、その納期限を繰り上げて納付を請求することができると定めています。関税についても同様に、納期限を繰り上げて納付を請求することができます。徴収を確保する見込みが薄い場合に、期限の到来を待たずに動けるようにする制度です。
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(2) 誤りです。関税の担保の種類は、関税法により国税通則法第50条の規定が準用されます。そこに掲げられているのは、国債および地方債、税関長等が確実と認める社債その他の有価証券、土地、保険に付した建物等、鉄道財団等、税関長等が確実と認める保証人の保証、金銭です。金地金その他の貴金属は、換価が容易であっても担保の種類には含まれていません。列挙されたものに限られるという点が要点です。
(3) 誤りです。担保物の変更については、変更後の担保物が金銭であるかどうかにかかわらず、税関長の承認を受けなければなりません。届出で足りる場合があるかのような書き分けは条文にありません。担保は徴収の確保のためのものですから、差し替えの可否は必ず税関長が判断します。
(4) 誤りです。供託すべき金銭に代えることができるのは、国債その他の有価証券など、一定の確実な財産に限られます。特許権を目的として設定した質権をもって金銭に代えることはできません。質権の価値は特許権の評価に左右され、供託の目的である損害賠償の担保として確実とはいえないためです。なお、銀行等との間で支払を保証する契約を結び、その旨を届け出る方法によって供託に代えることは認められています。
(5) 誤りです。関税法第105条の2は、国税通則法の事前通知に関する規定を準用していますが、そこで求められているのは、あらかじめ、調査を行う旨、調査を開始する日時、調査を行う場所、調査の目的、調査の対象となる期間などを通知することであって、通知の方法を書面に限定してはいません。「口頭ではなく書面により」と限定する点が条文にない要件です。
【誤りの作り方を見抜く】
本問の誤りの肢は、いずれも「条文にない限定を加える」「列挙にないものを混ぜる」という作り方です。担保の種類のように限定列挙されている規定は、覚えている項目に当てはまらないものが出てきたら疑ってかかる、という姿勢が有効です。
出典:第57回 通関士試験 関税法等 第18問(財務省 税関 公表)出典元ページ
最終更新日
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