次の記述は、課税価格の計算方法に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさ…
関税法等 関税法等 第24問
次の記述は、課税価格の計算方法に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「0」をマークしなさい。
- (1)課税価格を計算する場合において、輸入貨物に係る取引の状況その他の事情からみて輸入申告の時(関税法第4条第1項第2号から第8号まで(課税物件の確定の時期)に掲げる貨物にあっては、当該各号に定める時)までに当該輸入貨物に変質があったと認められるときは、当該輸入貨物の課税価格は、当該変質がなかったものとした場合に計算される課税価格からその変質があったことによる減価に相当する額を控除して得られる価格とする。
- (2)輸入貨物に係る輸入取引が延払条件付取引である場合において、その延払金利の額が明らかであるときは、当該延払金利の額は関税定率法第4条第1項に規定する当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格に含まないものとする。
- (3)輸入貨物に係る輸入取引に関し、買手による当該輸入貨物の処分又は使用についての制限で法令により課されるものがあることは、関税定率法第4条第1項の規定により当該輸入貨物の課税価格を決定することができないこととなる事情には該当しない。
- (4)買手が自己のために行う輸入貨物についての広告宣伝に係る費用で買手が負担するものは、当該広告宣伝が売手の利益になると認められる活動に係るものである場合に限り、当該費用は関税定率法第4条第1項に規定する当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格に加算するものとされている。
- (5)航空機による運送方法以外の運送方法による輸入貨物の運送が特殊な事情の下において行われたことにより、当該輸入貨物の実際に要した当該輸入港までの運賃の額が当該輸入貨物の通常必要とされる当該輸入港までの運賃の額を著しく超えるものである場合には、当該輸入貨物の当該輸入港までの運賃は、当該通常必要とされる当該輸入港までの運賃とする。
- (6)誤っている記述はない
正答 (4)
正答は (4)。
【各選択肢の検討】
(1) 正しい記述です。関税定率法第4条の5は、輸入貨物に係る取引の状況その他の事情からみて輸入申告の時(関税法第4条第1項第2号から第8号までに掲げる貨物についてはそれぞれの時)までに変質または損傷があったと認められるときは、その課税価格は、変質または損傷がなかったものとした場合に計算される課税価格から、その減価に相当する額を控除して得られる価格とすると定めています。課税物件の確定の時期における現況で課税するという考え方を、価格の面で貫くための規定です。
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(2) 正しい記述です。関税定率法施行令第1条の4第4号は、輸入取引が延払条件付取引である場合における延払金利を、現実に支払われた又は支払われるべき価格に含まれないものとして掲げています。金利は貨物の対価ではなく支払の猶予に対する対価だからです。ただし、その額が明らかであることが前提であり、明らかにできない場合には、同条ただし書により金利を含んだ支払の総額によることになります。
(3) 正しい記述です。関税定率法第4条第2項第1号は、買手による輸入貨物の処分または使用についての制限があることを、課税価格の決定の原則によることができない事情として掲げていますが、その括弧書きで政令で定める制限を除いています。施行令第1条の7第2号が、法令により、または国もしくは地方公共団体により課され、または要求される制限を掲げていますから、これに当たる制限があっても取引価格によって課税価格を計算できます。法令上の制限は取引当事者の力関係とは無関係であり、価格をゆがめるものではないためです。
(4) 誤っている記述です。買手が自己のために行う広告宣伝に係る費用で買手が負担するものは、それが結果として売手の利益になると認められる活動に係るものであっても、現実に支払われた又は支払われるべき価格に加算しません。買手が自分の販売のために自分の計算で行う活動であり、輸入貨物そのものの対価とはいえないからです。第4条第1項の加算要素の列挙にも広告宣伝費は挙がっていません。
(5) 正しい記述です。関税定率法施行令第1条の5第1項は、航空機による運送以外の運送方法による輸入貨物の運送が特殊な事情の下で行われたことにより、実際に要した輸入港までの運賃の額が通常必要とされる額を著しく超える場合には、その通常必要とされる運賃によると定めています。
【加算するかしないかの見分け方】
加算要素かどうかは、その費用が「輸入貨物を本邦に到着させるまでに、買手が売手に代わって、または貨物のために負担したものか」という観点で考えると整理できます。輸入後の据付けや整備、輸入港到着後の運賃、本邦で課される関税、延払金利、そして買手自身のための広告宣伝費は、いずれも貨物そのものの対価ではないため課税価格に入りません。
出典:第57回 通関士試験 関税法等 第24問(財務省 税関 公表)出典元ページ
最終更新日
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