次の記述は、関税法施行令第59条第1項第1号(輸入申告の手続)に規定する「貨物を輸入しようとする者」の意義に関するもので…
通関実務 通関実務 第4問
次の記述は、関税法施行令第59条第1項第1号(輸入申告の手続)に規定する「貨物を輸入しようとする者」の意義に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
- (1)関税定率法第4条第1項に規定する輸入取引により輸入される貨物についての「貨物を輸入しようとする者」とは、その仕入書に記載されている荷受人をいい、貨物が輸入の許可前に保税地域等において転売された場合における転得者を含まないこととされている。
- (2)関税割当証明書に係る物品につき関税暫定措置法別表第1に掲げる税率(暫定税率)のうち一定の数量を限度として定められている税率の適用を受けて当該物品を輸入しようとするときは、当該関税割当証明書の交付を受けた者の名をもって輸入申告しなければならない。
- (3)関税定率法第4条第1項に規定する輸入取引により輸入される貨物以外の輸入貨物については、輸入申告の時点において国内引取り後の輸入貨物の処分の権限を有する者は、「貨物を輸入しようとする者」に該当することとされている。
- (4)関税定率法第4条第1項に規定する輸入取引により輸入される貨物以外の輸入貨物であって、委託販売のために輸入される貨物については、当該貨物の販売の委託を受けて自己(受託者)の名義をもって販売する者は、「貨物を輸入しようとする者」に該当することとされている。
- (5)通関業者が、輸入者の代理人として輸入(納税)申告を行うときは、輸入(納税)申告書の輸入者欄に自己の住所、氏名及び電話番号を記載することとされている。
正答 (2)(3)(4)
正答は、(2)、(3)、(4) の三つです。
【「貨物を輸入しようとする者」とは誰か】
関税法施行令第59条第1項第1号は、輸入申告書に「貨物を輸入しようとする者」の住所および氏名または名称を記載すべきものとしています。誰がこれに当たるかは、輸入取引によって輸入される貨物かどうかで整理されています。輸入取引による貨物であれば、原則として仕入書に記載された荷受人です。輸入取引によらない貨物であれば、輸入申告の時点において国内引取り後の貨物の処分の権限を有する者がこれに当たります。
【各選択肢の検討】
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(1) 誤りです。輸入取引により輸入される貨物については仕入書の荷受人が原則ですが、貨物が輸入の許可前に保税地域等において転売された場合には、その転得者が「貨物を輸入しようとする者」に当たります。実際に貨物を引き取り、処分する立場にある者を捉えるのが制度の趣旨だからです。
(2) 正しい記述です。関税割当証明書に係る物品について、一定の数量を限度として定められている税率の適用を受けようとするときは、その関税割当証明書の交付を受けた者の名をもって輸入申告しなければならないこととされています。割当てを受けた者以外の名義で申告を認めると、割当制度が意味をなさなくなるためです。
(3) 正しい記述です。輸入取引によらない輸入貨物については、輸入申告の時点において国内引取り後の輸入貨物の処分の権限を有する者が「貨物を輸入しようとする者」に該当します。
(4) 正しい記述です。委託販売のために輸入される貨物は輸入取引によらない輸入貨物ですから、(3)の考え方により、販売の委託を受けて自己の名義をもって販売する者、すなわち受託者が「貨物を輸入しようとする者」に該当します。国内での処分の権限を持つのが受託者だからです。
(5) 誤りです。通関業者が輸入者の代理人として輸入申告を行う場合、申告書の輸入者欄に記載するのは輸入者の住所、氏名等であって、通関業者自身のものではありません。通関業者は代理人として申告するにすぎず、納税義務を負う者は輸入者です。
【輸入取引によらない貨物の例】
委託販売のために輸入される貨物
無償で輸入される貨物
賃貸借契約に基づき輸入される貨物
本支店間の移動により輸入される貨物
いずれも「誰が国内で処分できるのか」という観点で申告者を決めることになります。
出典:第58回 通関士試験 通関実務 第4問(財務省 税関 公表)出典元ページ
最終更新日
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