次の記述は、輸入通関に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正し…
通関実務 通関実務 第14問
次の記述は、輸入通関に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。
- (1)課税価格の合計額が1万円以下の貨物であって、関税定率法第14条第18号(無条件免税)の規定が適用されるものについては、消費税以外の内国消費税の課税対象となるものであっても、マニフェスト等による輸入申告を行うことができることとされている。
- (2)輸入貨物が、異なる都道府県に所在する複数の保税地域に分散して置かれている場合には、税関が検査を行うのに支障がないと認められるときであっても、輸入者は、当該輸入貨物について一の輸入申告による申告を行うことができないこととされている。
- (3)一の仕入書に記載された外国貨物については、分割して複数回の輸入申告により輸入することはできないこととされている。
- (4)本邦に本店、事務所及び事業所を有しない法人が貨物を本邦に輸入しようとする場合において、当該法人が税関事務管理人の届出をしなかったときは、税関長は、当該法人に対して税関事務管理人の届出をすべきことを求めることなく、本邦に本店又は主たる事務所を有する法人で当該貨物の輸入申告手続の処理につき便宜を有するものを、特定税関事務管理人として指定することができる。
- (5)輸入申告手続を処理した税関事務管理人は、その輸入申告に係る貨物の品名、数量及び価格その他の必要な事項を記載した帳簿を備え付け、かつ、当該帳簿及び当該貨物に係る取引に関して受領した書類を保存しなければならない。
- (6)正しい記述はない
正答 (2)
正答は (2)。
【輸入申告の単位と簡易な申告】
輸入申告は、原則として貨物ごとに、その貨物が置かれている保税地域等の所在地を所轄する税関長に対して行います。もっとも実務では、少額の貨物についての簡易な申告や、複数の保税地域に分散して置かれている貨物を一の申告にまとめる取扱いなどが設けられており、いずれも一定の条件の下でのみ認められています。本問は、この条件を正確に覚えているかを問うものです。併せて、本邦に事務所等を有しない者のための税関事務管理人の制度も問われています。
【各選択肢の検討】
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(1) 誤りです。航空貨物混載業者が扱う貨物についてマニフェスト等による輸入申告を行うことができるのは、一の混載貨物運送状に係る貨物について関税定率法第14条第18号の規定が適用されるもののほか、消費税以外の内国消費税の課税対象とならないものであること、他法令の証明又は確認を要しないものであること、原産地について偽った表示等がされていないものであることという条件をすべて満たす場合です。本肢は、消費税以外の内国消費税の課税対象となるものであっても差し支えないとしており、条件の一つを正面から否定していますから誤りです。酒税やたばこ税の課税対象となる貨物は、税額の計算や確認に個別の審査を要しますから、簡易な申告にはなじみません。
(2) 正しい記述です。輸入貨物が複数の保税地域に分散して置かれている場合に、輸入者等からの申出に基づいて一の輸入申告による申告を認める取扱いはありますが、その条件として、それらの保税地域が同一の税関の管轄区域内にあり、かつ、同一の都道府県に所在していること、一の保税地域に置くことが困難であるためやむを得ず分散しているなど一の申告により通関する必要があると認められること、保税地域ごとの貨物の品名、数量、価格及び所属を把握でき、かつ、税関が検査を行うのに支障がないと認められることが挙げられています。これらはすべてを満たす必要がありますから、異なる都道府県に所在している場合には、検査に支障がないと認められるときであっても一の申告によることはできません。検査や事後の確認を行う官署が分かれてしまうと、申告全体を一つの官署で処理することが難しくなるためです。
(3) 誤りです。同一の仕入書に記載された貨物を分割して逐次輸入することは認められており、その場合には、最後の輸入申告を受理する税関において仕入書等の原本を徴し、それまでの税関では写しを提出させて、原本には申告された数量や価格等を記入して返還するという取扱いが定められています。同時期に異なる税関官署に対して分割して申告する場合についても、仕入書のオーソライズドコピーを発行する手続が用意されています。分割して通関することが前提となった手続が現に置かれている以上、「分割して複数回の輸入申告により輸入することはできない」とする本肢は成り立ちません。
(4) 誤りです。税関長は、税関事務管理人の届出がされなかった場合に直ちに指定ができるわけではありません。まず、当該申告者等に対し、税関事務管理人に処理させる必要があると認められる事項を明示して、60日を超えない範囲内で指定する日までに届出をすべきことを書面で求めることができるとされ、その指定した日までに届出がされなかったときに、国内において便宜を有する者のうちから特定税関事務管理人として指定することができることとされています。他人に手続の処理を義務付ける効果を伴う指定ですから、本人に是正の機会を与える段階を先に踏ませているわけです。「求めることなく」指定できるとする点が誤りです。
(5) 誤りです。税関関係手続等を処理した税関事務管理人が負うのは、当該手続に係る申告者等が保存すべきこととされている関税関係帳簿及び関税関係書類について、税関長から提示を求められた場合にこれらを提示する義務です。帳簿を備え付けて必要事項を記載し、書類を保存する義務そのものは、あくまで輸入者である申告者等が負います。本肢は、税関事務管理人に帳簿の備付けと保存の義務があるとしている点が誤りです。この場合、申告者等の側は、税関事務管理人が提示できるよう必要な便宜を与えなければならないこととされています。
【条件を数える癖をつける】
この種の設問は、制度があるかないかではなく、その制度に付された条件を一つ落としているか、条件の一つを反対にしているかで誤りを作ります。マニフェスト等による申告も、複数の保税地域にまたがる一の申告も、条件がすべてを満たす形で並べられていますから、肢を読むときは条件の個数と内容を指で追って確かめてください。
出典:第59回 通関士試験 通関実務 第14問(財務省 税関 公表)出典元ページ
最終更新日
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