次の記述は、輸出通関に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正し…
通関実務 通関実務 第13問
次の記述は、輸出通関に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。
- (1)コンテナーに詰められた状態で輸出の許可を受けようとする貨物については、例外なく、輸出申告の後、当該貨物を保税地域等に入れないで当該許可を受けることができる。
- (2)輸出しようとする貨物の数量が輸出申告書に記載した貨物の数量を超えていることが判明した場合であって、その超える数量に相当する貨物の価格が1,000円未満であるときは、当該輸出申告書に記載した貨物の数量及び価格の訂正を省略できることとされている。
- (3)税関長は、輸出されようとする貨物が商標権を侵害する物品に該当するか否かを認定するための手続を執る場合には、当該貨物に係る商標権者及び当該貨物を輸出しようとする者に対し、当該貨物について当該手続を執る旨並びに当該貨物が商標権を侵害する物品に該当するか否かについてこれらの者が証拠を提出し、及び意見を述べることができる旨を通知しなければならない。
- (4)保税工場で製造された外国貨物を積み戻す場合には、関税法第70条(証明又は確認)の規定は準用されず、当該外国貨物が関税関係法令以外の法令の規定により積戻しに関して承認を必要とするものであっても、積戻し申告の際、当該承認を受けている旨を税関に証明することを要しない。
- (5)貨物を業として輸出する者は、関税関係帳簿を備え付けて、これに輸出しようとする貨物についてその品名、数量及び価格、仕向人の氏名又は名称並びに輸出申告書の提出予定年月日を記載しなければならない。
- (6)正しい記述はない
正答 (3)
正答は (3)。
【輸出通関の全体像】
輸出申告は、貨物を保税地域等に入れる前に行うこともできますが、輸出の許可は、原則としてその貨物が保税地域等に入れられた後に、審査と必要な検査を終えて行われます。この搬入を経ないまま許可を受けられるのは、本船扱い又はふ中扱いの承認を受けた場合や、特定輸出申告等の特例による場合といった、限られた場合です。本問は、この原則と例外に加え、申告内容の訂正、知的財産侵害物品の認定手続、積戻しへの規定の準用、輸出者の帳簿という論点を並べています。
【各選択肢の検討】
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(1) 誤りです。コンテナーに詰められた状態の貨物についても、輸出の許可を受けるためには保税地域等に搬入されるのが原則で、その搬入された貨物について税関の検査が行われます。コンテナー貨物については、貨物の積付けの状態を示す書類や写真等が提出された場合にこれらを審査及び検査の参考とする取扱いが設けられていますが、これは搬入を前提としたうえで検査の便宜を図るものであって、搬入を不要とするものではありません。保税地域等に入れないまま許可を受けられるのは、本船扱いやふ中扱いの承認を受けた場合、特定輸出申告等による場合などに限られますから、「例外なく」搬入を要しないとする本肢は成り立ちません。
(2) 誤りです。1,000円未満という基準が現れるのは、輸出の許可後に価格を変更しようとする場合の取扱いで、変更しようとする価格と輸出申告書に記載された所属区分ごとの価格との差が千円未満であるときなどに価格の訂正を省略させて差し支えないとされているものです。本肢のように、申告した数量を超える貨物があることが判明した場合について、その超過分の価格が1,000円未満であれば数量及び価格の訂正を省略できるという取扱いは設けられていません。数量が申告と異なることが判明したのであれば、所定の手続により訂正することになります。金額の基準だけを取り出して、別の場面に貼り付けた肢です。
(3) 正しい記述です。税関長は、輸出されようとする貨物が商標権を侵害する物品に該当するか否かを認定するための手続を執るときは、当該貨物に係る商標権者と当該貨物を輸出しようとする者の双方に対し、その手続を執る旨と、これらの者が証拠を提出し及び意見を述べることができる旨を通知しなければならないこととされています。侵害の有無の判断は権利者と輸出者の双方の言い分を聴いたうえで行うべきものですから、両当事者に手続への関与の機会を保障する趣旨です。通知の相手方が権利者だけでない点が押さえどころです。
(4) 誤りです。関税法第75条は、本邦から外国に向けて行う外国貨物の積戻しについて、輸出又は輸入の許可、輸出申告又は輸入申告の手続、輸出してはならない貨物に関する規定などとともに、証明又は確認の規定を準用しています。したがって、保税工場で製造された外国貨物を積み戻す場合であっても、関税関係法令以外の法令の規定により積戻しに関して承認を必要とするものであれば、積戻し申告の際にその承認を受けている旨を税関に証明しなければなりません。他法令による規制は、輸出であるか積戻しであるかによって緩められるものではないからです。
(5) 誤りです。貨物を業として輸出する者が備え付けるべき関税関係帳簿に記載する事項は、輸出の許可を受けた貨物について、その品名、数量及び価格、仕向人の氏名又は名称並びに当該許可の年月日及びその許可書の番号とされています。本肢は、対象を「輸出しようとする貨物」とし、記載事項として「輸出申告書の提出予定年月日」を挙げている点が誤りです。帳簿は、既に行われた輸出の内容を後から確認できるようにするためのものですから、許可を受けた貨物について、許可の年月日と許可書の番号によって申告書類と突き合わせられるようにしておく必要があります。
【搬入と許可の関係】
原則 輸出申告は搬入前でも可能。輸出の許可は保税地域等への搬入後。
本船扱い・ふ中扱い 承認を受けた貨物は、外国貿易船やはしけ等への積載が完了した後に検査及び許可。
特定輸出申告等 保税地域等に入れることなく輸出の許可を受けることができる。
例外はいずれも承認や承認を受けた者であることを前提としており、貨物の荷姿だけで例外になることはありません。
出典:第59回 通関士試験 通関実務 第13問(財務省 税関 公表)出典元ページ
最終更新日
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