45 歳男性。喫煙歴20 年(1 日20 本)。20 歳代前半から血清コレステロールの高値を指摘されていたが、未治療のま…
薬学実践問題(化学) 第209問
45 歳男性。喫煙歴20 年(1 日20 本)。20 歳代前半から血清コレステロールの高値を指摘されていたが、未治療のまま放置していた。男性は、会社の健康診断でLDL︲C 値が220 mg/dL であると指摘され、年齢のことも考慮し近医を受診した。家族性高コレステロール血症と診断され、医師や薬剤師による生活習慣指導及び処方1 による薬物治療が6 ヶ月継続された。しかし、LDL︲C 値が管理目標まで下がらなかったため、本日の診察で薬剤の追加が検討された。生化学検査の結果、AST、ALT、総ビリルビンが高値を示し肝障害が疑われたため、処方2 が追加された。なお、アドヒアランスは良好である。(処方1 )ロスバスタチン錠5 mg 1 回4 錠(1 日4 錠)1 日1 回 就寝前 28 日分(処方2 )コレスチミド顆粒83% 1 回1.81 g(1 日3.62 g)1 日2 回 朝夕食前 28 日分(本日の検査値)血圧122/74 mmHg、LDL︲C 130 mg/dL、HDL︲C 40 mg/dL、TG(トリグリセリド)100 mg/dL、AST 120 IU/L、ALT 125 IU/L、総ビリルビン2.0 mg/dL、HbA1c 5.5%(NGSP 値)コレスチミドは腸管において、胆汁酸であるタウロコール酸の再吸収を阻害し、肝におけるコレステロールから胆汁酸への異化を促進する。タウロコール酸の再吸収が阻害される機序に関する記述として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- (1)コレスチミドを触媒としてタウロコール酸が分解される。
- (2)コレスチミドのヒドロキシ基とタウロコール酸のヒドロキシ基との間に水素結合が形成される。
- (3)コレスチミドのカチオンとタウロコール酸のイオン化したスルホ基との間にイオン結合が形成される。
- (4)コレスチミドのヒドロキシ基とタウロコール酸のスルホ基との間に水素結合が形成される。
- (5)コレスチミドのヒドロキシ基とタウロコール酸のスルホ基がエステル結合を形成する。
正答 (3)
正答は (3)。コレスチミドのイミダゾリウム(陽イオン)とタウロコール酸のスルホ基の陰イオンがイオン結合し、吸収されない複合体になります。
コレスチミドは陰イオン交換樹脂で、塩化物イオンと引き換えに胆汁酸の陰イオンを結合し、そのまま便に出します。タウロコール酸のスルホ基(-SO₃H)は強酸性で、腸管内ではほぼすべて陰イオン(-SO₃⁻)になっています。
【ほかの選択肢】
(1) コレスチミドは触媒として胆汁酸を分解するものではない 誤り
(2) 水素結合は弱く、胆汁酸を捕らえる主な力ではない。主な力は陽イオンと陰イオンのイオン結合 誤り
(4) スルホ基は陰イオンになっており、主な結合はヒドロキシ基との水素結合ではない 誤り
(5) 腸管内でエステル結合のような共有結合はできない 誤り
出典:第107回 薬剤師国家試験 問209(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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