70 歳男性。1 ヶ月前より両手の関節の痛みと腫れが出現し、家族とともに病院の整形外科を受診し、医師より精密検査のための…

薬学実践問題(化学) 第207問

70 歳男性。1 ヶ月前より両手の関節の痛みと腫れが出現し、家族とともに病院の整形外科を受診し、医師より精密検査のための入院を勧められた。検査の結果、軽度の関節リウマチとの診断を受けた。メトトレキサートによる治療を開始したが、肝機能障害が出現し、以下の処方へ変更となった。(処方1 )ブシラミン錠100 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食後 7 日分2 週間後、薬剤師が服薬指導で患者の病室を訪問したところ、「食事が美味しくない、味があまりしない。」との訴えがあり、食事の摂取量も減少していることが分かった。薬剤師はブシラミン錠による薬剤性味覚異常の可能性を考え、医師へ血清亜鉛濃度の測定を依頼した。臨床検査値:血清亜鉛 65 μg/dL(基準値:80~130 μg/dL)医師は臨床検査値の結果を踏まえ、以下の処方を追加した。(処方2 )酢酸亜鉛水和物錠25 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)1 日2 回 朝夕食後 7 日分この患者の味覚異常に最も関連するブシラミンの性質はどれか。1つ選べ。

薬剤師 2023年(令和5年) 第207問の図
正答 (4)
正答は (4)。ブシラミンは2つのチオール(SH)基をもち、亜鉛などの金属とキレートをつくるので、亜鉛が不足して味覚異常が起こると考えられます。 構造式のとおり、ブシラミンはシステインの部分と2-メルカプト-2-メチルプロパノイル基の部分に1つずつ SH 基をもちます。亜鉛は味を感じる細胞の働きに必要で、キレートで体から失われると味覚障害の原因になります。この患者でも血清亜鉛が65 μg/dL と下がっています。 【ほかの選択肢】 (1) SH 基は還元性をもつ。酸化剤として働くのではない 誤り
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(2) 水への溶けにくさは味覚異常の機序と関係しない 誤り (3) カルボキシ基による弱い酸性は味覚異常の機序と関係しない 誤り (5) ブシラミンは SH 基を2つもつ形が本来の構造で、味覚異常の機序はジスルフィド結合の形成ではない 誤り

出典:第108回 薬剤師国家試験 問207(厚生労働省 公表)出典元ページ

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