52 歳男性。身長167 cm、体重56 kg。最近、右首のくぼみあたりに腫れやしこりがあり、近医を受診した。医師の診察…

薬学実践問題(化学) 第215問

52 歳男性。身長167 cm、体重56 kg。最近、右首のくぼみあたりに腫れやしこりがあり、近医を受診した。医師の診察により、頸部リンパ節腫大を認めたため、医師は精査目的で地域医療支援病院の血液内科を紹介した。病変部位の生検の結果、ホジキンリンパ腫と診断された。3 日後からABVD 療法を開始する予定である。(ABVD 療法)投与量 投与時間 投与スケジュール(処方1 )ドキソルビシン塩酸塩注射用 25 mg/m²/day 30 分 day 1,15(処方2 )ブレオマイシン塩酸塩注射用 10 mg/m²/day 30 分 day 1,15(処方3 )ビンブラスチン硫酸塩注射用 6 mg/m²/day 15 分 day 1,15(処方4 )ダカルバジン注射用 375 mg/m²/day 60 分 day 1,151 コースは28 日間で、4 コースを実施する。なお、4 コース実施後にISRT(病巣部放射線照射療法)を施行予定処方4 の薬物はプロドラッグであり、代謝物がDNA と共有結合を形成して抗腫瘍効果を示す。以下の代謝経路に示す化合物のうち、DNA 塩基による求核置換反応を受け、薬効を示す活性本体として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

薬剤師 2025年(令和7年) 第215問の図
正答 (4)
正答は (4)。ダカルバジンの代謝で最後に生じるメチルジアゾニウムイオン(D)が、DNA の塩基の求核攻撃を受けてメチル基を渡し、N₂ が抜けます。 ダカルバジンは肝臓の CYP で N-メチル基が酸化されて(A)、ホルムアルデヒド(B)が外れ、モノメチルトリアゼン(C)になります。Cが分解すると、アミノイミダゾールカルボキサミド(E)とメチルジアゾニウムイオン(D)ができます。Dは窒素分子という非常によい脱離基をもつので、グアニンの O⁶ 位や N⁷ 位などに攻撃されてメチル化(SN2 反応)が起こります。
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【ほかの選択肢】 (1) Aは酸化を受けた中間体で、まだ DNA をメチル化しない 誤り (2) Bはホルムアルデヒドで、外れる副生成物 誤り (3) Cは活性体の前の段階で、分解してDを生じる 誤り (5) Eはメチル基を渡した後に残る部分で、活性本体ではない 誤り 【ポイント】 同じ仕組みで働く薬にテモゾロミドがあり、こちらは肝臓での代謝を必要とせず、自然に分解して活性体を生じます。

出典:第110回 薬剤師国家試験 問215(厚生労働省 公表)出典元ページ

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