精神神経科の医師から医薬品情報室に、妊婦がリチウム製剤とラモトリギン製剤を服用したときの胎児における心奇形の発生について…
薬学実践問題(実務) 第227問
精神神経科の医師から医薬品情報室に、妊婦がリチウム製剤とラモトリギン製剤を服用したときの胎児における心奇形の発生について質問があった。薬剤師が論文を検索し、各製剤の服用による胎児の心奇形発生に関するコホート研究報告を見つけた。論文には下表に示した結果が掲載されていた。表 妊婦のリチウム製剤又はラモトリギン製剤の服用による胎児の心奇形の発生数論文には、薬剤非服用群に対するリチウム製剤又はラモトリギン製剤服用群の相対危険度(傾向スコア分析により補正した値)を服用量別に示した図が載っていた。妊娠中の薬剤服用状況と胎児の心奇形発生に関し、下図を基に薬剤師が医師に説明する内容として誤っているのはどれか。1つ選べ。
- (1)リチウム製剤服用量が1 日900 mg を超える群では、出生100 人あたり6.32 人に心奇形が発生しています。
- (2)リチウム製剤服用量が1 日900 mg を超える場合、薬剤非服用群に比べ胎児の心奇形は約4.2 倍発生しやすくなると考えられます。
- (3)リチウム製剤服用量の増加に伴い、胎児の心奇形が発生しやすくなる傾向が認められます。
- (4)ラモトリギン製剤は、リチウム製剤に比べ胎児の心奇形発生リスクを統計学的に有意に上昇させると考えられます。
- (5)ラモトリギン製剤服用群全体では、出生100 人あたり2.5 人に心奇形が発生しています。
正答 (4)
正答は (4)。ラモトリギン群の相対危険度の95%信頼区間はどの用量でも1をまたいでおり、有意な上昇とはいえず、リチウムより高いともいえません。
図の相対危険度の点と横線(95%信頼区間)が1(縦の点線)をまたぐときは、非服用群との差は統計学的に有意とはいえません。ラモトリギン群の3つの用量はいずれも1をまたいでいます。発生数もリチウムの高用量群より少なく、リチウムよりリスクを有意に上げるという説明は誤りです。
【ほかの選択肢】
(1) 900 mg/日を超える群の出生100人あたりの発生数は6.32人 正しい
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(2) 900 mg/日を超える群の相対危険度の点は4と5の間(約4倍)で、信頼区間も1をまたがない 正しい
(3) 出生100人あたりの発生数が2.27→3.78→6.32と、用量とともに増えている 正しい
(5) ラモトリギン群全体は(20+18+12)÷2,000×100=2.5人 正しい
出典:第108回 薬剤師国家試験 問227(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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