55 歳女性。数ヶ月前から身体のだるさや疲れやすさを感じていた。最近、まぶたが重く物が見えにくくなってきた。さらに、食べ…
薬学実践問題(薬理) 第246問
55 歳女性。数ヶ月前から身体のだるさや疲れやすさを感じていた。最近、まぶたが重く物が見えにくくなってきた。さらに、食べ物を飲み込みにくくなったため、近医を受診した。重症筋無力症を疑った医師から、診断のための検査をするにあたりエドロホニウム試験について薬剤師に問合せがあった。エドロホニウムに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。ただし、図は、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)の活性中心において、アセチルコリンが加水分解される際の反応機構及びエドロホニウムの構造式を示す。
- (1)セリン及びトリプトファンと相互作用して、AChE を不可逆的に阻害する。
- (2)セリンをリン酸化して、AChE を不可逆的に阻害する。
- (3)トリプトファンをカルバモイル化して、AChE を可逆的に阻害する。
- (4)セリンと共有結合して、AChE を可逆的に阻害する。
- (5)トリプトファンと相互作用して、AChE を可逆的に阻害する。
正答 (5)
正答は (5)。エドロホニウムの第四級アンモニウムは陰イオン部位のトリプトファンと相互作用し、共有結合を作らず可逆的に阻害します。
図のように、アセチルコリンはトリメチルアンモニウム部分がトリプトファン(Trp)の部位に引き寄せられ、セリン(Ser)の水酸基にアセチル基が移って分解されます。エドロホニウムは正電荷を持つ第四級アンモニウムで Trp の部位に結合し、フェノール性の水酸基も水素結合で結びつきますが、セリンとは共有結合を作りません。そのため阻害は可逆的で、作用は数分と短く、重症筋無力症の診断(テンシロン試験)に使われます。
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【ほかの選択肢】
(1) エドロホニウムの阻害は不可逆的ではない 誤り
(2) セリンのリン酸化による不可逆的な阻害は、サリンなど有機リン化合物の機序 誤り
(3) カルバモイル化されるのはトリプトファンではなくセリン。ネオスチグミンなどの機序で、エドロホニウムは該当しない 誤り
(4) エドロホニウムはセリンと共有結合しない 誤り
出典:第108回 薬剤師国家試験 問246(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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