56 歳男性。体重72 kg。5 ヶ月程前、職場の健康診断で便潜血陽性を指摘され大学病院を受診した。検査の結果、S 状結…
薬学実践問題(薬理) 第264問
56 歳男性。体重72 kg。5 ヶ月程前、職場の健康診断で便潜血陽性を指摘され大学病院を受診した。検査の結果、S 状結腸がん(Stage Ⅲ)と診断された。約1 ヶ月後、S 状結腸切除術が施行された。その後、術後補助化学療法としてFOLFOX 療法(オキサリプラチン・レボホリナートカルシウム・フルオロウラシル)を入院にて導入することとなった。FOLFOX 療法に用いる薬物又はその活性代謝物のいずれかに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- (1)チミジル酸合成酵素を阻害することで、DNA の合成を阻害する。
- (2)ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害することで、活性型葉酸を枯渇させる。
- (3)プロテアソームを活性化することで、腫瘍細胞の増殖抑制及びアポトーシス誘導を示す。
- (4)ジヒドロピリミジン脱水素酵素を活性化することで、フルオロウラシルの抗腫瘍効果を増強する。
- (5)フルオロデオキシウリジン一リン酸(FdUMP)及びチミジル酸合成酵素と複合体を形成することで、フルオロウラシルの抗腫瘍効果を増強する。
正答 (1)(5)
正答は (1)と(5)。フルオロウラシルの活性代謝物 FdUMP はチミジル酸合成酵素を阻害し、レボホリナートはその複合体を安定させて効果を強めます。
フルオロウラシルは体内で FdUMP になり、チミジル酸合成酵素(TS)と結合して dTMP の合成を止め、DNA の合成を妨げます。レボホリナートは還元型葉酸(5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸)を補い、FdUMP・TS と強固な三者複合体を作らせて阻害を長続きさせます。オキサリプラチンは白金製剤で、DNA に架橋を作ります。
【ほかの選択肢】
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(2) ジヒドロ葉酸還元酵素の阻害はメトトレキサートの機序 誤り
(3) プロテアソームを阻害するのはボルテゾミブなどで、FOLFOX の薬ではない 誤り
(4) ジヒドロピリミジン脱水素酵素(DPD)はフルオロウラシルを分解する酵素で、これを阻害(ギメラシル)すると効果が強まる 誤り
出典:第108回 薬剤師国家試験 問264(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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