78 歳女性。夫と2 人暮らしであるが、半年前から物の置き忘れやしまい忘れをするようになった。3 ケ月前から誰もいない庭…
薬学理論問題(薬理) 第155問
78 歳女性。夫と2 人暮らしであるが、半年前から物の置き忘れやしまい忘れをするようになった。3 ケ月前から誰もいない庭を指さして「子供たちが遊んでいる。」などと言うようになった。睡眠中に大声を出して、手足をばたつかせることがあるが、本人に自覚はない。心配した夫に連れられ病院を受診した。診察時、受け答えは良好であったが、歩行は小刻み様であった。日付や場所の見当識が一部曖昧であり、ミニメンタルステート検査は30 点満点中23 点であった。また、脳血流SPECT により後頭葉の血流低下が認められた。この患者の症状改善を目的として使用される可能性のある薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- (1)ブロモクリプチンは、線条体においてドパミンD₂ 受容体を刺激することで、間接路のGABA 作動性神経を抑制する。
- (2)ゾニサミドは、グルタミン酸AMPA 受容体を刺激することで、ドパミン作動性神経を亢進させる。
- (3)カルビドパは、ドパミンβ︲ヒドロキシラーゼを阻害することで、レボドパの脳内移行を高める。
- (4)ドネペジルは、アセチルコリンエステラーゼを阻害することで、アミロイドβタンパク質の分解を促進する。
- (5)クロナゼパムは、γ︲アミノ酪酸GABAA 受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合することで、GABA によるCl⁻ チャネルの開口を促進する。
正答 (1)(5)
正答は (1)と(5)。ブロモクリプチンは D₂ 受容体の刺激で間接路の GABA 作動性神経を抑え、クロナゼパムは GABA による Cl⁻ チャネルの開口を促します。
前問の症例はレビー小体型認知症で、パーキンソン症状にはドパミン系の薬、レム睡眠行動異常にはクロナゼパムが使われることがあります。線条体の間接路の神経には抑制性の D₂ 受容体があり、ブロモクリプチンはこれを刺激して運動を抑える間接路の働きを弱めます。
【ほかの選択肢】
(2) ゾニサミドの抗パーキンソン作用は、レボドパからのドパミン合成の促進や MAO-B の阻害などによる。AMPA 受容体の刺激ではない 誤り
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(3) カルビドパは末梢の芳香族 L-アミノ酸脱炭酸酵素(ドパ脱炭酸酵素)を阻害して、レボドパの脳内への移行を高める 誤り
(4) ドネペジルはアセチルコリンエステラーゼを阻害してアセチルコリンを増やす。アミロイドβの分解は促さない 誤り
出典:第109回 薬剤師国家試験 問155(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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