57 歳男性。身長175 cm、体重63 kg。患者は大腸がんの治療で、3 ケ月前より病院でFOLFIRI 療法(イリノ…
薬学実践問題(化学) 第213問
57 歳男性。身長175 cm、体重63 kg。患者は大腸がんの治療で、3 ケ月前より病院でFOLFIRI 療法(イリノテカン注、レボホリナート注、フルオロウラシル静脈注射、フルオロウラシル持続注射)を施行していた。持続注射が辛いとの患者の訴えがあり、XELOX 療法(カペシタビン・オキサリプラチン療法)に変更され、今回、患者が処方1 及び処方2 の処方箋を持って、来局した。その際、患者から、「最近手のひらが赤くなって痛くなってきた」、「点滴をした日は手にしびれも現れる」、「副作用がとても心配である」との訴えがあった。(処方1 )カペシタビン錠300 mg 1 回6 錠(1 日12 錠)1 日2 回 朝夕食後 14 日分 休薬7 日間(処方2 )ヘパリン類似物質クリーム0.3%(25 g/本)4 本両手・両足に適量を塗布 1 日4 回 朝昼夕就寝前カペシタビンは、段階的にフルオロウラシルに代謝されるプロドラッグである。体内におけるカペシタビンの代謝を示した下図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- (1)カペシタビンの点線で囲った構造は、分子の疎水性を高める。
- (2)Aは二酸化炭素(CO₂)である。
- (3)Bの糖部はD︲リボースである。
- (4)Cの点線で囲った酸素原子は、水に溶けている酸素分子(O₂)に由来する。
- (5)加リン酸分解で生じるDの構造式は である。
正答 (1)(2)
正答は (1)と(2)。点線のペンチルオキシカルボニル基は分子の疎水性を高めて吸収をよくし、カルバメートの加水分解ではペンタノールとともに二酸化炭素(A)が出ます。
カペシタビンは、シトシンのアミノ基をカルバメートにして脂溶性を高めたプロドラッグです。肝臓のカルボキシルエステラーゼで加水分解されると、ペンタノールと不安定なカルバミン酸ができ、これが二酸化炭素を放ってB(5'-デオキシ-5-フルオロシチジン)になります。シチジンデアミナーゼでC(5'-デオキシ-5-フルオロウリジン)に、腫瘍に多いピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼでフルオロウラシルに変わります。
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【ほかの選択肢】
(3) Bの糖は5位に水酸基が無い(メチル基になっている)5-デオキシ-D-リボース。D-リボースではない 誤り
(4) 脱アミノ化は加水分解で、点線の酸素は水に由来する。溶けている酸素分子からではない 誤り
(5) 加リン酸分解では、糖の1位にリン酸が付いた5-デオキシリボース-1-リン酸ができる。示された1位が水酸基の糖ではない 誤り
出典:第109回 薬剤師国家試験 問213(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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