下図は、インスリンの構造を模式的に示している。図中の◯はアミノ酸残基を示し、特徴のあるアミノ酸残基を3 文字表記している…

薬学理論問題(化学) 第107問

下図は、インスリンの構造を模式的に示している。図中の◯はアミノ酸残基を示し、特徴のあるアミノ酸残基を3 文字表記している。近年、インスリンの化学構造を部分的に改変することで、治療目的に沿った血糖降下作用を発揮するインスリンアナログ製剤(1 ~5 )が開発されている。このうち、構造改変によりインスリンの等電点(pI 約5.4)を中性付近(pI 約6.7)に近づけることにより、生理的pH で等電点沈殿を起こし、皮下で徐々に溶解、吸収され、1 日1 回の皮下投与で安定した血糖降下作用を示すのはどれか。1つ選べ。なお、各アナログ製剤の構造はインスリンと同様な方法で図示しており、図中の灰色の◯はインスリンと異なるアミノ酸残基を示す。

薬剤師 2025年(令和7年) 第107問の表薬剤師 2025年(令和7年) 第107問の選択肢の図
正答 (2)
正答は (2)。(2) はインスリングラルギンで、B鎖の C末端に Arg を2つ足して等電点を中性付近に上げ、A21 を Gly に替えて酸性の製剤の中で安定にしています。 グラルギンは pH 4 付近の酸性の溶液として製剤化され、皮下(pH 約7.4)に入ると等電点に近づいて微細な沈殿をつくります。そこから少しずつ溶けて吸収されるため、ピークのない作用が約24時間続き、持効型として1日1回投与します。 【ほかの選択肢】 (1) インスリン リスプロ(B28 Lys・B29 Pro の入れ替え)。六量体を形成しにくくした超速効型 誤り
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(3) インスリン グルリジン(B3 Lys・B29 Glu)。超速効型 誤り (4) インスリン デグルデク(B30 を除き、B29 Lys に脂肪酸の側鎖を結合)。皮下でマルチヘキサマーをつくる持効型で、等電点沈殿によるものではない 誤り (5) インスリン アスパルト(B28 Asp)。超速効型 誤り 【見分け方】 Arg(塩基性アミノ酸)を足すと等電点が上がる、と考えると(2)に絞れます。

出典:第110回 薬剤師国家試験 問107(厚生労働省 公表)出典元ページ

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