分筆の登記に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。…
午後の部(不動産登記法・土地家屋調査士法) 午後の部 第11問
分筆の登記に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。ア 甲土地の所有権の登記名義人であるAが死亡した場合において,Aの死亡前にBがAから甲土地を買い受けていたが,当該売買に基づく甲土地の所有権の移転の登記がされていないときは,Bは,甲土地の所有権を取得したことを証する情報を提供して,甲土地の分筆の登記を申請することができる。イ 賃借権の設定の登記がされている甲土地の所有権の登記名義人であるAは,当該賃借権の登記名義人であるBが承諾したことを証する情報を提供することなく,甲土地の分筆の登記を申請することができる。ウ 抵当権の設定の登記がされている甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記を申請する場合において,当該抵当権の登記名義人が分筆後の乙土地について当該抵当権を消滅させることを承諾したことを証する情報を提供したときは,分筆後の乙土地の登記記録には,当該抵当権が消滅した旨が記録される。エ Aの相続財産の管理人として選任されたBが,亡A相続財産を所有権の登記名義人とする土地の分筆の登記を申請するときは,その申請情報と併せて家庭裁判所の許可を証する情報を提供しなければならない。オ A及びBが所有権の登記名義人である土地の分筆の登記をしようとする場合には,Aが当該登記の申請情報と併せてBがこれに承諾したことを証する情報を提供したとしても,Aは,単独で,当該登記の申請をすることはできない。
- (1)アイ
- (2)アエ
- (3)イオ
- (4)ウエ
- (5)ウオ
正答 (3)
正答は (3)。正しいのはイとオです。
【ア】誤り
分筆の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は申請することができません(不動産登記法39条1項)。売買による所有権の移転の登記を受けていないBは、所有権の登記名義人ではないので、所有権を取得したことを証する情報を提供しても、分筆の登記を申請することはできません。まず、Aの相続人の協力を得て、AからBへの所有権の移転の登記をする必要があります。
【イ】正しい
賃借権の登記がある土地を分筆すると、賃借権の登記は分筆後の各土地に転写され、各土地が共に賃借権の目的である旨が記録されます(不動産登記規則102条1項)。分筆によって賃借権者の権利が害されることはないので、賃借権の登記名義人の承諾を証する情報を提供する必要はありません。
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【ウ】誤り
抵当権の登記名義人が、分筆後の乙土地について抵当権を消滅させることを承諾したことを証する情報を提供したときは、乙土地について抵当権が消滅した旨の登記がされます(不動産登記法40条、不動産登記規則104条1項)。この場合、消滅した旨は、分筆後の「甲土地」の登記記録の抵当権の登記に付記登記で記録され、抵当権の登記は乙土地の登記記録に転写されません(規則104条2項)。乙土地の登記記録に消滅した旨が記録されるのではありません。
【エ】誤り
相続財産の管理人は、保存行為と、物や権利の性質を変えない範囲での利用・改良行為をする権限を有し(民法953条、28条、103条)、これを超える行為には家庭裁判所の許可が必要です。登記の実務では、分筆の登記は権利の処分に当たらず、管理人の権限内の行為として、家庭裁判所の許可を証する情報を提供しなくても申請できるとされています。
【オ】正しい
所有権の登記名義人が数人いる土地の分筆の登記は、共有者全員で申請しなければならないとされています。分筆は、共有者の一人が保存行為として単独でできるものではないからです。他の共有者Bの承諾を証する情報を提供しても、Aが単独で申請することはできません。
【まとめ】
正しいのはイとオで、この組合せは (3) です。
※2026年10月時点では、民法の令和3年改正(2023年4月1日施行)で、相続人のあることが明らかでない場合の「相続財産の管理人」は「相続財産の清算人」に改められています(民法952条)。
出典:2021年(令和3年度) 土地家屋調査士試験 午後の部 第11問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
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