行為能力に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1 から5 までのうち、どれか。…

午後の部(民法) 午後の部 第1問

行為能力に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1 から5 までのうち、どれか。ア 成年後見人は、成年被後見人が後見開始の審判を受ける前に締結した契約について、その締結の時に既に後見開始の事由が存在していたことを証明して、取り消すことができる。イ 未成年者が法定代理人の同意を得ずにしたことを理由として法律行為を取り消すことができる場合には、その取消権の行使は、未成年者が単独ですることができる。ウ 未成年者は、取り消すことができることを知って契約を締結した場合には、その契約を取り消すことができない。エ 成年被後見人であるAがBから日用品を買った場合には、Aの成年後見人Cは、Aが成年被後見人であることをBが知っていたときに限り、当該日用品の売買契約を取り消すことができる。オ 被保佐人が保佐人の同意を得ずにしたことを理由として法律行為を取り消すことができる場合には、その法律行為の相手方は、保佐人に対し、その法律行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。

正答 (4)
正答は (4)。正しいのはイとオです。 【ア】誤り 成年被後見人の法律行為を取り消すことができるのは、後見開始の審判を受けて成年被後見人となった後の行為です(民法9条)。審判を受ける前に締結した契約は、その時に既に後見開始の事由(精神上の障害で事理を弁識する能力を欠く常況)があったとしても、行為能力の制限を理由として取り消すことはできません。契約の時に意思能力が無かったことを証明すれば、無効を主張することはできます(民法3条の2)。 【イ】正しい 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者本人、その代理人、承継人又は同意をすることができる者が取り消すことができます(民法120条1項)。取消権者として本人が挙げられているので、未成年者は法定代理人の同意を得なくても、単独で取り消すことができます。
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【ウ】誤り 制限行為能力者が取り消すことができなくなるのは、行為能力者であることを信じさせるために詐術を用いた場合です(民法21条)。取り消すことができると知って契約をしたというだけでは、取消権は失われません。 【エ】誤り 成年被後見人の法律行為でも、日用品の購入その他日常生活に関する行為は取り消すことができません(民法9条ただし書)。相手方Bが、Aが成年被後見人であることを知っていたかどうかは関係がありません。 【オ】正しい 制限行為能力者の相手方は、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について、1か月以上の期間を定めて追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができます(民法20条2項・1項)。保佐人は同意をする権限を持つので、保佐人に催告をすることができ、期間内に確答が無ければ追認したものとみなされます。 【まとめ】 正しいのはイとオで、この組合せは (4) です。 【見分け方】 被保佐人本人に催告するときは「保佐人の追認を得るべき旨」の催告になり、期間内に追認を得た旨の通知が無ければ取り消したものとみなされます(民法20条4項)。保佐人に催告したときは、確答が無ければ追認とみなされます。相手が誰かで効果が逆になる点を押さえます。

出典:2024年(令和6年度) 土地家屋調査士試験 午後の部 第1問(法務省 公表)出典元ページ

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