A市議会においては、屋外での受動喫煙を防ぐために、繁華街での路上喫煙を禁止し、違反者に罰金もしくは過料のいずれかを科する…
行政法 問題22
A市議会においては、屋外での受動喫煙を防ぐために、繁華街での路上喫煙を禁止し、違反者に罰金もしくは過料のいずれかを科することを定める条例を制定しようとしている。この場合に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- (1)この条例に基づく過料は、行政上の秩序罰に当たるものであり、非訟事件手続法に基づき裁判所が科する。
- (2)条例の効力は属人的なものであるので、A市の住民以外の者については、この条例に基づき処罰することはできない。
- (3)この条例で過料を定める場合については、その上限が地方自治法によって制限されている。
- (4)地方自治法の定める上限の範囲内であれば、この条例によらず、A市長の定める規則で罰金を定めることもできる。
- (5)この条例において罰金を定める場合には、A市長は、あらかじめ総務大臣に協議しなければならない。
正答 (3)
正答は (3)。これが妥当です。
普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、条例中に、条例に違反した者に対し、2年以下の懲役若しくは禁錮、100万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は5万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができます(地方自治法14条3項)。過料の上限は5万円と法律で制限されています。※2026年10月時点では、刑法改正(2025年6月施行)により、同項の「懲役若しくは禁錮」は「拘禁刑」に改められています。
【ほかの選択肢】
(1) 妥当でない
条例に基づく過料は行政上の秩序罰ですが、地方自治法に基づく過料は、普通地方公共団体の長が行政処分として科します(149条3号、255条の3)。長は、あらかじめ告知し弁明の機会を与えなければなりません。非訟事件手続法により裁判所が科すのは、法律(国の法令)に基づく過料です。
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(2) 妥当でない
条例の効力は、原則としてその地方公共団体の区域内にいる全ての者に及びます(属地的効力)。A市の住民以外の者でも、A市内で違反すれば処罰の対象になります。
(4) 妥当でない
長の定める規則で科すことができるのは、5万円以下の過料に限られます(15条2項)。罰金などの刑罰は、条例でなければ定めることができません。
(5) 妥当でない
条例で罰則を定めるときに総務大臣と協議しなければならないという規定はありません(実務上、検察庁と事前に協議することは行われています)。
出典:令和4年度 行政書士試験 問題22(一般財団法人行政書士試験研究センター公表)出典元ページ
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