行政立法に関する次の記述のうち、法令の定めまたは最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。…
行政法 問題9
行政立法に関する次の記述のうち、法令の定めまたは最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。
- (1)行政手続法が定める意見公募手続の対象となるのは、法規命令のみであり、行政規則はその対象とはされていない。
- (2)法律の規定を実施するために政令を定めるのは内閣の事務であるが、その法律による委任がある場合には、政令に罰則を設けることもできる。
- (3)法律による委任の範囲を逸脱して定められた委任命令は違法となるが、権限を有する機関が取り消すまでは有効なものとして取り扱われる。
- (4)通達の内容が、法令の解釈や取扱いに関するもので、国民の権利義務に重大なかかわりをもつようなものである場合には、当該通達に対して取消訴訟を提起することができる。
- (5)行政手続法が適用される不利益処分の処分基準において、過去に処分を受けたことを理由として後行の処分に係る量定が加重される旨の定めがある場合には、当該処分基準の定めに反する後行の処分は当然に無効となる。
正答 (2)
正答は (2)。妥当なのはこれです。
内閣は、憲法及び法律の規定を実施するために政令を制定します(憲法73条6号本文)。ただし、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができません(同号ただし書、内閣法11条)。逆にいえば、法律の委任があれば、政令に罰則を設けることができます。
【ほかの選択肢】
(1) 妥当でない
意見公募手続の対象となる「命令等」には、法律に基づく命令(法規命令)のほか、審査基準、処分基準、行政指導指針も含まれます(行政手続法2条8号)。これらは行政規則に当たるものです。
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(3) 妥当でない
法律の委任の範囲を逸脱した委任命令は違法であり、無効とされます。判例も、医薬品の郵便等販売を一律に禁止した省令の規定を、法律の委任の範囲を逸脱した違法なものとして無効としました(最判平成25年1月11日)。処分のような公定力はありません。
(4) 妥当でない
判例(最判昭和43年12月24日)は、通達は行政組織内部の命令にすぎず、国民を直接拘束するものではないから、その内容が国民の権利義務に重大なかかわりをもつものであっても、取消訴訟の対象にはならないとしました。
(5) 妥当でない
判例(最判平成27年3月3日)は、処分基準に過去の処分歴を理由として量定を加重する定めがある場合、行政庁がその定めと異なる取扱いをすることは、特段の事情がない限り裁量権の範囲の逸脱又は濫用に当たるとし、そのことから先行処分の取消しを求める訴えの利益を認めました。処分基準に反する処分は違法となり得ますが、当然に無効となるわけではありません。
出典:令和6年度 行政書士試験 問題9(一般財団法人行政書士試験研究センター公表)出典元ページ
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