株式会社間で行われる吸収分割において,吸収分割承継会社の株主が行う株式買取請求に関する次の記述のうち,正しいものの組合せ…

企業法 企業法 問題17

株式会社間で行われる吸収分割において,吸収分割承継会社の株主が行う株式買取請求に関する次の記述のうち,正しいものの組合せとして最も適切な番号を一つ選びなさい。(5点)ア.吸収分割会社が吸収分割承継会社の特別支配会社である場合には,吸収分割承継会社においては,特別支配会社以外の株主全員が株式買取請求権を有する。イ.最高裁判所の判例の趣旨によれば,吸収分割により企業価値が増加しない場合の株式買取請求に係る「公正な価格」は,当該吸収分割の効力発生日において,当該吸収分割をするための株主総会決議がなければその株式が有していると認められる価格をいう。ウ.吸収分割承継会社が株式買取請求に応じて株式を取得した場合には,その取得した日が属する事業年度に係る定時株主総会で承認された計算書類に欠損が生じたときであっても,その取得に関する職務を行った代表取締役は当該欠損の額を支払う義務を負わない。エ.吸収分割をするために株主総会の決議を要する場合には,当該株主総会において議決権を行使することができない株主は,当該株主総会に先立って当該吸収分割に反対する旨を吸収分割承継会社に通知しなければ株式買取請求をすることができない。

正答 (2)
正答は (2)。略式分割では特別支配会社以外の全株主が買取請求でき(ア)、組織再編の買取請求には欠損填補責任がない(ウ)からです。 【各記述】 ア 正しい。吸収分割会社が承継会社の特別支配会社で略式の手続によるときは、承継会社で株主総会の決議を要しません。この場合の反対株主は、特別支配会社を除く全ての株主です(会社法797条2項2号)。 イ 誤り。判例(最決平成23年4月19日)は、企業価値の増加が生じない場合の「公正な価格」を、株式買取請求がされた日において、その決議がなければ株式が有したであろう価格としました。基準日は効力発生日ではありません。
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ウ 正しい。株式取得後に欠損が生じた場合の業務執行者の欠損填補責任(会社法464条)は、定款変更等に伴う株式買取請求(116条1項)などに限られ、吸収分割など組織再編に伴う買取請求(797条)には適用されません。 エ 誤り。総会の決議を要する場合でも、その総会で議決権を行使できない株主は、事前の反対の通知をしなくても反対株主として買取請求ができます(会社法797条2項1号ロ)。 正しいのはアとウで、(2) です。

出典:2025年(令和7年)第Ⅰ回 公認会計士試験 短答式試験 企業法 問題17(金融庁 公表)出典元ページ

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