Aは、甲マンションの508 号室を所有しているが、同室及び同室内の壁に飾ってあった風景画(この問いにおいて「絵画」という…

民法など法令 第12問

Aは、甲マンションの508 号室を所有しているが、同室及び同室内の壁に飾ってあった風景画(この問いにおいて「絵画」という。)をBに賃貸した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

正答 (4)
正答は (4)。 【前提】 民法第192条は、取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得するとしています(即時取得)。 【(1) 誤り】 即時取得は「取引行為によって」占有を始めた場合に限られます。相続は取引行為ではありませんから、Cが過失なく相続財産と信じて占有していても、即時取得は成立しません。Aの返還請求は認められます。本肢は誤りです。 【(2) 誤り】 Bが以後Dのために占有する意思を表示して現実の占有を続ける方法(占有改定)による引渡しについて、判例は、即時取得の要件である占有の開始にあたらないとしています。外観上の占有状態に変化がないからです。Dは即時取得できず、Aの返還請求は認められます。本肢は誤りです。
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【(3) 誤り】 占有者は善意で平穏かつ公然に占有するものと推定され(第186条第1項)、占有者が占有物について行使する権利は適法に有するものと推定されます(第188条)。判例は、この第188条の推定により、即時取得を主張する者は無過失についても推定を受け、自ら立証する必要はないとしています。本肢は誤りです。 【(4) 正しい。これが正答】 第193条は、即時取得の要件を満たす場合でも、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から2年間、占有者に対してその物の回復を請求することができるとしています。Aは盗難の時から2年以内であればFに返還を請求できます。なお、Fが競売や公の市場、同種の物を販売する商人から善意で買い受けた場合は、代価を弁償しなければ回復できませんが(第194条)、無職のEからの購入はこれにあたりません。本肢は正しい記述です。

出典:令和5年度 マンション管理士試験問題 問12(公益財団法人 マンション管理センター 公表)出典元ページ

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