民事訴訟における訴訟能力又は法定代理に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5 までの…
午後の部(民事訴訟法) 午後の部 第1問
民事訴訟における訴訟能力又は法定代理に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。ア 訴訟能力を欠く者による訴えの提起であることが判明したときは,裁判長は,その補正を命ずることなく,命令で,訴状を却下することができる。イ 外国人は,その本国法によれば訴訟能力を有しない場合であっても,日本の法律によれば訴訟能力を有すべきときは,訴訟能力者とみなされる。ウ 被告が訴訟係属中に保佐開始の審判を受けた場合において,訴訟上の和解をするときは,保佐人の特別の授権を要する。エ 訴訟能力を欠く当事者がした訴訟行為は,これを有するに至った当該当事者の追認により,行為の時に遡ってその効力を生ずる。オ 当事者である未成年者が成年に達した場合には,その親権者の法定代理権の消滅は,本人又は代理人から相手方に通知しなくても,訴訟上その効力を生ずる。
- (1)アエ
- (2)アオ
- (3)イウ
- (4)イオ
- (5)ウエ
正答 (2)
正答は (2)。誤っているのはアとオです。
【ア】誤り
訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠くときは、裁判所は、期間を定めて、その補正を命じなければなりません(民事訴訟法34条1項)。訴訟能力の欠缺は追認や補正によって治癒できるので、補正を命ずることなく直ちに訴状を却下することはできません。裁判長の命令による訴状の却下(同法137条2項)は、訴状の必要的記載事項の不備や手数料の不納付について補正がされない場合の扱いです。
【イ】正しい
外国人は、その本国法によれば訴訟能力を有しない場合であっても、日本法によれば訴訟能力を有すべきときは、訴訟能力者とみなされます(民事訴訟法33条)。
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【ウ】正しい
被保佐人が訴えの取下げ、和解、請求の放棄若しくは認諾などの訴訟行為をするには、特別の授権がなければなりません(民事訴訟法32条2項1号)。相手方の提起した訴えについて応訴するだけなら保佐人の同意その他の授権は要りません(同条1項)が、和解のように訴訟を終わらせる重大な行為には、保佐人の特別の授権が必要です。
【エ】正しい
訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠く者がした訴訟行為は、これらを有するに至った当事者又は法定代理人の追認により、行為の時に遡ってその効力を生じます(民事訴訟法34条2項)。
【オ】誤り
法定代理権の消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなければ、その効力を生じません(民事訴訟法36条1項)。未成年者が成年に達して親権者の法定代理権が消滅した場合も同じで、通知がなければ訴訟上は消滅の効力が生じません。手続の安定のため、消滅事由が何であるかを問わず通知を要求しています。
【組み合わせ】
誤っているのはアとオで、これを組とする (2) が正答です。
出典:2021年(令和3年度) 司法書士試験 午後の部 第1問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
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