抵当権の設定の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。…

午後の部(不動産登記法・商業登記法) 午後の部 第23問

抵当権の設定の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア AのBに対する金銭消費貸借契約に基づく債権と、CのBに対する保証委託契約に基づく債権を担保するために、A及びCを抵当権者、Bを債務者とする1個の抵当権の設定契約を締結した旨が記載された登記原因を証する情報を添付して、A及びCを抵当権者とする抵当権の設定の登記を一の申請情報によって申請することができる。イ Aを所有権の登記名義人とする甲土地について、Aが債権者Bとの間で抵当権の設定契約を締結し、利息について「利息 年3% ただし、将来の金融情勢に応じ債権者において利率を適宜変更することができる」旨を申請情報の内容とする抵当権の設定の登記を申請することはできない。ウ 株主総会の決議により解散した旨の登記がされているA株式会社を所有権の登記名義人とする甲土地について、A株式会社が清算中に、A株式会社がBとの間でBを抵当権者とする抵当権の設定契約を締結した場合には、その旨が記載された登記原因を証する情報を提供したとしても、当該抵当権の設定の登記を申請することはできない。エ A及びBが、Bを所有権の登記名義人とする甲土地について、Aを抵当権者とする抵当権の設定契約を締結した場合において、当該抵当権の設定の登記を申請する前に、甲土地に対しCを債権者とする強制競売による差押えの登記がされていたときであっても、当該抵当権の設定の登記を申請することができる。オ Aを債権者とするX債権、Y債権及びZ債権の3個の債権を各別に担保するために、甲土地の所有権を目的として順位1番にX債権、順位2番にY債権、順位3番にZ債権を被担保債権とする3個の抵当権の設定の登記がされている場合には、Aは、乙土地に当該3個の債権を被担保債権とする1個の抵当権の追加設定の登記を申請することができる。

正答 (1)
正答は (1)。誤っているのはアとウです。 【ア】誤り 一個の抵当権で担保できるのは、同一の債権者の債権です。AのBに対する貸金債権と、CのBに対する求償債権のように、債権者を異にする複数の債権を一個の抵当権で担保することはできず、A及びCを抵当権者とする一個の抵当権の設定の登記は申請できないとされています。この場合は、債権ごとに別個の抵当権を設定します。 【イ】正しい 利息は抵当権の優先弁済の範囲を画する登記事項なので(不動産登記法88条1項1号)、その内容は登記記録から明らかでなければなりません。「将来の金融情勢に応じ債権者において利率を適宜変更することができる」という定めは、利率が登記記録からわからないので、利息として登記することはできないとされています。
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【ウ】誤り 解散した株式会社も、清算の目的の範囲内では存続し(会社法476条)、清算のために必要な行為として財産に抵当権を設定することもできます。清算中の会社を設定者とする抵当権の設定契約の登記原因証明情報を提供すれば、抵当権の設定の登記を申請できます。 【エ】正しい 差押えの登記がされても、その後の処分は差押債権者に対抗できないだけで(相対的な効力)、処分そのものが禁止されて無効になるわけではありません。強制競売による差押えの登記がされた後でも、抵当権の設定の登記を申請できます(売却されれば、その抵当権は買受人に対抗できず抹消されます)。 【オ】正しい 同一の債権者Aの数個の債権は、一個の抵当権でまとめて担保できます。甲土地では3個の抵当権で各別に担保されていても、乙土地について、X・Y・Zの3個の債権を被担保債権とする一個の抵当権の設定(追加設定)の登記を申請できるとされています。 【組み合わせ】 誤っているのはアとウで、これを組とする (1) が正答です。

出典:2023年(令和5年度) 司法書士試験 午後の部 第23問(法務省 公表)出典元ページ

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