根抵当権の元本確定の登記に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。…

午後の部(不動産登記法・商業登記法) 午後の部 第22問

根抵当権の元本確定の登記に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。ア 元本確定前の根抵当権の登記名義人であるAがその目的不動産について担保不動産競売の申立てをし,担保不動産競売開始決定に係る差押えの登記がされたが,その後,Aが当該申立てを取り下げたため当該登記が抹消されている場合において,Bが当該差押えにより当該根抵当権が確定したものとして当該根抵当権の被担保債権について代位弁済をしたため,AとBが共同して,代位弁済による当該根抵当権の移転の登記を申請するときは,その前提として当該根抵当権の元本確定の登記を申請することを要する。イ Aを登記名義人とする元本確定前の根抵当権を目的としてBを登記名義人とする転根抵当権の設定の登記がされている場合において,Bが当該根抵当権の目的不動産について担保不動産競売の申立てをし,担保不動産競売開始決定に係る差押えの登記がされたが,その後,Cが当該差押えにより当該根抵当権が確定したものとして当該根抵当権の被担保債権について代位弁済をしたため,AとCが共同して,代位弁済による当該根抵当権の移転の登記を申請するときは,その前提として当該根抵当権の元本確定の登記を申請することを要する。ウ 元本確定前の根抵当権について根抵当権者を分割をする会社とする会社分割があったため,根抵当権設定者が元本確定の請求を行った場合には,根抵当権設定者は元本の確定を請求したことを証する書面を添付して,単独で元本確定の登記を申請することができる。エ 元本確定前の根抵当権について根抵当権者が元本確定の請求をした場合において,元本確定の登記を根抵当権設定者と共同して申請するときは,元本の確定の請求が配達証明付き内容証明郵便により行われたことを証する情報を提供しなければならない。オ 根抵当権者と根抵当権設定者が共同して根抵当権の元本確定の登記を申請する場合には,添付情報として根抵当権者が当該根抵当権の設定の登記を受けた際に通知された登記識別情報を提供することを要する。

正答 (3)
正答は (3)。正しいのはイとオです。 元本確定後の根抵当権を代位弁済などで移転する登記をするには、原則として、その前提として元本確定の登記が必要です。ただし、登記記録から元本の確定が明らかな場合には、元本確定の登記は要らないとされています。 【ア】誤り 根抵当権者が自ら担保不動産競売を申し立て、競売手続の開始(差押え)があったときは、元本が確定します(民法398条の20第1項1号)。この場合は、後に申立てが取り下げられても、確定の効果はくつがえりません(競売手続の開始の効力の消滅で確定しなかったものとみなすのは、同項3号・4号の場合です。同条2項)。差押えの登記が抹消されていても、登記記録上、根抵当権者の申立てによる差押えがあったことが明らかなので、元本確定の登記を前提として申請する必要はないとされています。
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【イ】正しい 転根抵当権者Bが競売を申し立てた場合、原根抵当権者Aから見ると、自ら申し立てた場合(民法398条の20第1項1号)ではなく、第三者による競売手続の開始の場合に当たり、Aがそれを知った時から2週間を経過した時に元本が確定する(同項3号)とされています。確定の時期は登記記録からは明らかにならないので、代位弁済による移転の登記の前提として、元本確定の登記をする必要があります。 【ウ】誤り 根抵当権者を分割をする会社とする会社分割があった場合、根抵当権設定者は元本の確定を請求できます(民法398条の10第3項・398条の9第3項)。しかし、根抵当権の登記名義人が単独で元本確定の登記を申請できるのは、根抵当権者が確定請求をした場合などに限られ(不動産登記法93条)、設定者が確定請求をした場合は、根抵当権者と設定者の共同申請によります。 【エ】誤り 根抵当権者の確定請求(民法398条の19第2項)による元本確定の登記を根抵当権者が単独で申請するときは、請求をしたことを証する情報(配達証明付き内容証明郵便など)を提供します。共同申請による場合には、この情報の提供は要りません。 【オ】正しい 元本確定の登記を共同申請するときは、元本の確定によって不利益を受ける根抵当権者が登記義務者になります。登記義務者の登記識別情報の提供が必要なので(不動産登記法22条)、根抵当権者が設定の登記を受けた際に通知された登記識別情報を提供しなければなりません。 【組み合わせ】 正しいのはイとオで、これを組とする (3) が正答です。

出典:2021年(令和3年度) 司法書士試験 午後の部 第22問(法務省 公表)出典元ページ

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