株式会社の吸収合併による変更の登記に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,…
午後の部(不動産登記法・商業登記法) 午後の部 第31問
株式会社の吸収合併による変更の登記に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。ア 消滅会社の資産に存続会社の株式が含まれる場合には,吸収合併により消滅会社から承継することによって存続会社の自己株式となる株式を含めて,消滅会社の株主に交付する存続会社の株式の数を定めた合併契約書を添付して,吸収合併による変更の登記を申請することができる。イ 吸収合併における承継債務額が承継資産額を超える場合には,当該吸収合併による変更の登記の申請書には,存続会社の株主全員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。ウ 消滅会社が債権者保護手続に係る公告を官報及び定款の定めに従って電子公告の方法によりした場合には,不法行為によって生じた消滅会社の債務の債権者がいるときであっても,吸収合併による変更の登記の申請書には,当該債権者に対して各別の催告をしたことを証する書面を添付することを要しない。エ 株式会社Aを存続会社とし,株式会社B及び株式会社Cを消滅会社とする吸収合併の場合に,合併契約書が1 通で作成されたときは,吸収合併による変更の登記の申請書には,登記すべき事項として株式会社B及び株式会社Cを合併した旨を一括して記載しなければならない。オ 消滅会社の資産に存続会社の株式が含まれる場合には,吸収合併による変更の登記の申請書には,存続会社が当該株式に関する事項を存続会社の株主に対して通知したことを証する書面を添付しなければならない。
- (1)アウ
- (2)アオ
- (3)イウ
- (4)イエ
- (5)エオ
正答 (1)
正答は (1)。正しいのはアとウです。
【ア】正しい
消滅会社が存続会社の株式を有している場合、その株式は吸収合併によって存続会社に承継され、存続会社の自己株式となります。先例は、この自己株式となる株式を含めて、消滅会社の株主に交付する存続会社の株式の数を定めた合併契約も有効で、その合併契約書を添付して吸収合併による変更の登記を申請できるとしています(自己株式を合併の対価として交付することになります)。
【イ】誤り
吸収合併で承継債務額が承継資産額を超える場合(合併差損が生じる場合)には、存続会社の取締役は、株主総会においてその旨を説明しなければならず(会社法795条2項1号)、簡易合併の手続によることはできません(同法796条2項ただし書)。しかし、株主全員の同意までは要しないので、株主全員の同意を証する書面の添付は不要です。
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【ウ】正しい
消滅会社が債権者保護手続の公告を、官報のほか定款の定めに従って電子公告(又は日刊新聞紙)によってしたときは、知れている債権者への各別の催告は不要です(会社法789条3項)。会社分割の場合は不法行為によって生じた債務の債権者への催告を省略できませんが、吸収合併にはこの例外はありません。申請書には、各別の催告をしたことを証する書面を添付する必要はありません。
【エ】誤り
合併契約書が1通で作成されていても、吸収合併は存続会社と各消滅会社との間でそれぞれ成立するもので、登記すべき事項としてB及びCを合併した旨を一括して記載しなければならないとはされていません。
【オ】誤り
消滅会社の資産に存続会社の株式が含まれる場合、存続会社の取締役は、株主総会においてその株式に関する事項を説明しなければなりません(会社法795条3項)。また、株主への通知(同法797条3項)にもその事項を含めますが、吸収合併による変更の登記の添付書面として、この通知をしたことを証する書面は求められていません。
【組み合わせ】
正しいのはアとウで、これを組とする (1) が正答です。
出典:2021年(令和3年度) 司法書士試験 午後の部 第31問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
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