発起人の責任に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。…

午前の部(会社法・商法) 午前の部 第27問

発起人の責任に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 発起設立の場合も、募集設立の場合も、各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。イ 発起人は、自らが給付した現物出資財産の価額が定款に記載された価額に著しく不足する場合であっても、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、株式会社に対して当該不足額を支払う義務を負わない。ウ 発起人は、株式会社が成立しなかった場合であっても、設立時募集株式の引受人があるときは、当該株式会社の設立に関して支出した費用を負担しない。エ 発起人の責任を追及する訴えは、株主代表訴訟として提起することができる。オ 発起人が株式会社の設立についてその任務を怠ったことによって当該株式会社に損害を生じさせた場合であっても、当該株式会社の設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該発起人は、当該株式会社に対し、損害を賠償する責任を負わない。

正答 (2)
正答は (2)。正しいのはアとエです。 【ア】正しい 会社法第25条第2項は、各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならないと定めています。この規定は発起設立(同条第1項第1号)にも募集設立(同項第2号)にも共通です。 【イ】誤り 現物出資財産の価額が定款に記載された価額に著しく不足するときは、発起人と設立時取締役は、連帯して不足額を支払う義務を負います(会社法第52条第1項)。検査役の調査を経た場合や、職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合には義務を免れますが(同条第2項)、この免責からは、現物出資財産を給付した発起人自身と財産引受けの財産の譲渡人が除かれています(同項柱書かっこ書)。自ら現物出資財産を給付した発起人は、注意を怠らなかったことを証明しても責任を免れません。なお、募集設立では、無過失の証明による免責そのものが認められていません(第103条第1項)。
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【ウ】誤り 会社法第56条は、株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担すると定めています。設立時募集株式の引受人がいても変わりません。引受人に払込金を返還する責任も発起人が負います。 【エ】正しい 株主による責任追及等の訴え(株主代表訴訟)の対象には、発起人の責任を追及する訴えが含まれています(会社法第847条第1項)。設立時取締役、設立時監査役、役員等、清算人の責任追及なども同じです。 【オ】誤り 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定すると、その判決は将来に向かってのみ効力を有し、設立はさかのぼって無効になるわけではありません(会社法第839条)。会社は清算をすることになりますが、それまでに発起人の任務懈怠で生じた会社に対する損害賠償責任(第53条第1項)が消えることはありません。判決の確定によって責任を負わなくなるとする記述は誤りです。 【整理】 会社不成立:発起人が連帯して責任・設立費用を負担(第56条) 設立無効:将来効(第839条)。それまでの責任はそのまま 現物出資の不足額:給付した発起人自身は無過失でも免責されない(第52条第2項) 正しいのはアとエですから、正答は (2) です。

出典:2024年(令和6年度) 司法書士試験 午前の部 第27問(法務省 公表)出典元ページ

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