株式会社の計算等に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。…

午前の部(会社法・商法) 午前の部 第31問

株式会社の計算等に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 株式会社が準備金の額を減少する場合において、その減少する準備金の額の全部を資本金とするときは、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、準備金の額の減少について異議を述べることができる。イ 取締役会設置会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において、当該資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときは、取締役会の決議により、資本金の額を減少することができる。ウ 株式会社における資本金の額の減少の無効は、訴えをもってのみ主張することができる。エ 取締役会設置会社は、取締役会の決議により、剰余金の額を減少して資本金の額を増加することができる。オ 取締役会設置会社は、一事業年度の途中において一回に限り取締役会の決議によって剰余金の配当をすることができる旨を定款で定めることができる。

正答 (2)
正答は (2)。誤っているのはアとエです。 【ア】誤り 株式会社が資本金又は準備金の額を減少する場合には、債権者は異議を述べることができますが、減少する準備金の額の全部を資本金とする場合は除かれています(会社法449条1項本文の括弧書)。準備金を資本金に組み入れても、会社の財産を株主に払い戻せる余地は広がらず、債権者を害しないからです。 【イ】正しい 株式会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合に、減少の効力が生ずる日後の資本金の額がその日前の資本金の額を下回らないときは、資本金の額の減少は、株主総会の決議ではなく、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては取締役会の決議)によってすることができます(会社法447条3項)。結果として資本金が減らないので、株主総会の決議を要しないとされています。
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【ウ】正しい 株式会社における資本金の額の減少の無効は、訴えをもってのみ主張することができます(会社法828条1項5号)。 【エ】誤り 剰余金の額を減少して資本金の額を増加するには、株主総会の決議によって、減少する剰余金の額と効力発生日を定めなければなりません(会社法450条1項・2項)。取締役会の決議ではできません。剰余金の配当等を取締役会が決定できる旨の定款の定め(会社法459条1項)の対象にも、資本金への組入れは含まれていません。 【オ】正しい 取締役会設置会社は、一事業年度の途中において1回に限り取締役会の決議によって剰余金の配当(配当財産が金銭であるものに限る)をすることができる旨を定款で定めることができます(会社法454条5項。中間配当)。 【まとめ】 誤っているのはアとエで、この組合せは (2) です。 【整理】 債権者異議手続が要らないのは、①準備金の全部を資本金に組み入れる場合、②定時株主総会で欠損の額を超えない範囲で準備金のみを減少する場合です(449条1項)。資本金の減少には、原則どおり債権者異議手続が必要です。

出典:2025年(令和7年度) 司法書士試験 午前の部 第31問(法務省 公表)出典元ページ

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