不動産登記の添付情報に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。…

午後の部(不動産登記法・商業登記法) 午後の部 第15問

不動産登記の添付情報に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア A株式会社を根抵当権者とする元本確定前の根抵当権の設定の登記がされた甲土地について、A株式会社を吸収分割会社とし、B株式会社を吸収分割承継会社とする会社分割がされ、その旨の登記がされた場合において、会社分割を登記原因とするA株式会社からB株式会社への根抵当権の一部移転の登記を申請するときは、登記原因証明情報として当該会社分割の分割契約書を提供することを要する。イ 外国に住所を有する日本人であるAが日本国内に所在する甲不動産を売却し、委任による代理人によって売買を登記原因とする所有権の移転の登記を申請する場合において、Aの印鑑に関する証明書を添付情報として提供することができないときは、Aが署名した委任状自体に、外国の公証人が委任事項及びAの署名が真正である旨を証明し、その認証のための印章を押なつしたものを提供することができる。ウ 未成年者Aの親権者がB及びCである場合において、家庭裁判所がAのために特別代理人Dを選任した上で、A所有の甲不動産がBに売却され、売買を登記原因とするAからBへの所有権の移転の登記を申請するときは、添付情報としてCの印鑑に関する証明書を提供することを要しない。エ 相続財産の清算人が、被相続人が生前に売却した不動産についてその買主と共同して所有権の移転の登記を申請する場合には、添付情報として家庭裁判所の許可を証する情報を提供することを要しない。オ 株式会社の登記された支配人が当該株式会社を代理して不動産の登記を申請する場合において、当該株式会社の会社法人等番号を提供したときは、添付情報として支配人の代理権限を証する情報を提供することを要しない。

正答 (1)
正答は (1)。誤っているのはアとウです。 【ア】誤り 元本確定前の根抵当権者を分割会社とする会社分割があったときは、根抵当権は、分割の時に存する債権のほか、分割会社と承継会社が分割後に取得する債権を担保し、分割会社と承継会社の準共有となります(民法398条の10第1項)。この根抵当権の一部移転は分割契約の内容にかかわらず法律上当然に生ずるので、登記原因証明情報としては、会社分割の記載のある承継会社の登記事項証明書(会社法人等番号の提供で代えられます)で足り、分割契約書の提供は要しないとされています。分割契約書が必要になるのは、元本確定後の根抵当権や普通抵当権のように、分割契約の定めによって承継の有無が決まる場合です。
解説の続きをみる続きを閉じる
【イ】正しい 外国に住所を有する日本人が登記義務者となる場合、印鑑に関する証明書に代えて、署名が本人のものであることの証明(署名証明)を用いることができます。登記の実務では、在外公館の証明のほか、委任状自体に外国の公証人が署名の真正を証明し、認証の印章を押なつしたものを提供することも認められるとされています。 【ウ】誤り 父母が共同して親権を行う場合に、親権者の一方と子との利益が相反するときは、その親権者のために特別代理人が選任され、判例は、特別代理人と利益が相反しない他方の親権者とが共同して子を代理するとしています。AからBへの売買では、Bの代わりに特別代理人Dが、Cと共同してAを代理します。Cも登記義務者Aの代理人として委任状などに記名押印するので、Cの印鑑に関する証明書の提供が必要です。 【エ】正しい 相続財産の清算人が、被相続人が生前に売却した不動産について買主と共同して所有権の移転の登記を申請するのは、被相続人が負っていた登記義務を履行するもので、清算人の権限内の行為(保存行為)に当たります。したがって、家庭裁判所の許可を証する情報の提供は要しないとされています。 【オ】正しい 法人が申請人となる場合、会社法人等番号を提供すれば、代表者の資格を証する情報の提供に代えることができます。登記された支配人など、法令の規定により法人を代理することができる者で、その旨の登記がされているものが申請する場合も、会社法人等番号を提供すれば、その代理権限を証する情報の提供を要しないとされています(不動産登記令7条1項1号・2号、不動産登記規則36条3項)。 【まとめ】 誤っているのはアとウで、この組合せは (1) です。

出典:2025年(令和7年度) 司法書士試験 午後の部 第15問(法務省 公表)出典元ページ

最終更新日

この回を通しで解く この分野を年度横断で解く

「午後の部(不動産登記法・商業登記法)」のほかの問題

  1. 2023年(令和5年度) 午後の部 第20問買戻しの特約の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から
  2. 2023年(令和5年度) 午後の部 第35問一般社団法人の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1
  3. 2024年(令和6年度) 午後の部 第27問登録免許税に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5ま
  4. 2021年(令和3年度) 午後の部 第19問相続又は遺贈を登記原因とする所有権の移転の登記に関する次のアからオまでの記述のうち,正し
  5. 2022年(令和4年度) 午後の部 第12問権利に関する登記の記録方法に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後
  6. 2022年(令和4年度) 午後の部 第26問Aが所有権の登記名義人である甲不動産に売買予約を原因としてBを登記名義人とする所有権移転

問題文・解答の修正依頼

スポンサーリンク