図は結晶多形をもつ薬物Aについて15 ~35 ℃におけるリン酸緩衝液中の溶解度(S)の対数値を絶対温度(T)の逆数に対し…
薬学理論問題(薬剤) 第178問
図は結晶多形をもつ薬物Aについて15 ~35 ℃におけるリン酸緩衝液中の溶解度(S)の対数値を絶対温度(T)の逆数に対してプロットしたものである。この図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、Aの溶解熱は測定温度範囲において一定とする。
- (1)図よりⅠ形からⅡ形への転移熱を知ることはできない。
- (2)薬物AのⅡ形からⅠ形への転移温度は約84 ℃である。
- (3)図中のTᵣ は、Ⅰ形結晶の分解開始温度である。
- (4)Ⅰ形及びⅡ形の結晶とも溶解熱は負の値を示す。
- (5)Tᵣ 以上の温度になると、Ⅰ形結晶の方がⅡ形結晶より高い溶解度を示すことが予測される。
正答 (2)(5)
正答は (2)と(5)。2本の直線は 1/T=2.8×10⁻³ K⁻¹ で交わり、T≒357 K(約84℃)が転移温度で、それより高温では Ⅰ 形の溶解度が高くなります。
T=1÷(2.8×10⁻³)≒357 K → 357-273=84℃
図の左側(高温側)では、Ⅰ 形の線(点線)が Ⅱ 形の線(破線)より上にあります。転移温度より上では Ⅰ 形の方が溶解度が高く、準安定形になると予測できます。測定した15〜35℃では Ⅱ 形の溶解度が高く、Ⅰ 形が安定形です。
【ほかの選択肢】
(1) 各直線の傾きから溶解熱が求まり、その差が転移熱になるので、図から知ることができる 誤り
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(3) Tr は2つの結晶形の溶解度が等しくなる転移温度で、分解開始温度ではない 誤り
(4) log S は 1/T が大きく(低温に)なるほど下がっており、傾きは負。ファントホッフの式から溶解熱は正の値(吸熱)である 誤り
出典:第106回 薬剤師国家試験 問178(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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