抗悪性腫瘍薬であるイリノテカンはプロドラッグである。この薬物の製剤と代謝に関する以下の問に答えよ。…
薬学理論問題(薬剤) 第178問
抗悪性腫瘍薬であるイリノテカンはプロドラッグである。この薬物の製剤と代謝に関する以下の問に答えよ。イリノテカンは酵素(ア)によって活性代謝物(イ)に変換され、さらに酵素(ウ)によって代謝物(エ)に変換され不活化される。(ア)の酵素及び(イ)の構造式、(ウ)の酵素及び(エ)の構造式のそれぞれの組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。A BCH₃ CH₃HO O OO ON NN N₃C ₃CCH₃₃SOONN₃C O
- (1)CYP3A4 A 硫酸転移酵素 C
- (2)UDP︲グルクロン酸転移酵素 A CYP3A4 B
- (3)カルボキシルエステラーゼ A UDP︲グルクロン酸転移酵素 B
- (4)CYP3A4 B 硫酸転移酵素 C
- (5)UDP︲グルクロン酸転移酵素 B カルボキシルエステラーゼ A
- (6)カルボキシルエステラーゼ B UDP︲グルクロン酸転移酵素 A
正答 (3)
正答は (3)。イリノテカンはカルボキシルエステラーゼで SN-38(A)になり、UDP-グルクロン酸転移酵素でグルクロン酸抱合体(B)となって不活化されます。
構造式Aは、カンプトテシンの骨格に水酸基(フェノール性の OH)をもつ SN-38 です。Bはその水酸基にグルクロン酸が結合した SN-38 グルクロニド、Cは硫酸が結合した形です。イリノテカンの側鎖のカルバメート(ピペリジノピペリジン)が、カルボキシルエステラーゼで切り離されて SN-38 になります。SN-38 は主に UGT1A1 でグルクロン酸抱合されます。
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【ほかの選択肢】
(1)(4) CYP3A4 は、イリノテカンを活性の無い酸化物に変える経路で、SN-38 はつくらない。不活化の主な経路は硫酸抱合ではない 誤り
(2)(5)(6) 活性化はカルボキシルエステラーゼ、不活化は UGT の順。酵素や構造式の組合せが合わない 誤り
【ポイント】
UGT1A1*6・*28 をもつ人は SN-38 の抱合が遅く、好中球減少や下痢が重くなりやすいことが知られています。
出典:第109回 薬剤師国家試験 問178(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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