民法上の代理又は無権代理に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは,後記1 から5…

午後の部(民法) 午後の部 第1問

民法上の代理又は無権代理に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは,後記1 から5 までのうち,どれか。ア Aからの委任により代理人となったBは,やむを得ない事由がある場合には,Aの許諾を得ることなく,復代理人を選任することができる。イ Aが未成年者Bを代理人に選任し,BがAのためにすることを示してCに意思表示をした場合には,Aは,Bが未成年者であることを理由として,その意思表示を取り消すことはできない。ウ Bが,Aから与えられていた代理権限を越えて,Aの代理人としてCとの間で契約を締結した場合において,CがBに権限があると信ずべき正当な理由があるが,Cがそのように信ずるに至ったことについてAに過失がないときは,Aは,Bの行為について,表見代理による責任を負わない。エ 代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は,相手方において代理人が本人のためにすることを知り,又は知ることができたときを除き,代理人自身のためにしたものとみなされる。オ Aから何らの代理権を与えられていないBが,Aの代理人と称してCとの間で契約を締結した場合には,Cは,AがCに対して追認をした後であっても,その契約を取り消すことができる。

正答 (4)
正答は (4)。誤っているのはウとオです。 【ア】正しい 委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができません(民法104条)。裏返せば、やむを得ない事由があるときは、本人の許諾がなくても復代理人を選任できます。 【イ】正しい 制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができません(民法102条本文)。代理行為の効果は本人に帰属し、未成年者B自身が不利益を受けることはないうえ、本人Aは自ら未成年者を代理人に選んでいるからです。Aは、Bが未成年者であることを理由に取り消すことはできません。
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【ウ】誤り 代理人が権限外の行為をした場合に、相手方に代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときは、本人は表見代理の責任を負います(民法110条、109条1項本文)。判例は、正当な理由があれば足り、本人に過失があることは要件ではないとしています。Aに過失がないことを理由に責任を免れることはできません。 【エ】正しい 代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、代理人自身のためにしたものとみなされます(民法100条本文)。ただし、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、本人に対して効力を生じます(同条ただし書、99条1項)。 【オ】誤り 無権代理人がした契約は、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができます(民法115条本文)。本人Aが追認をした後は、契約は初めから本人に効力を生じ(民法116条本文)、Cは取り消すことができなくなります。 【まとめ】 誤っているのはウとオで、この組合せは (4) です。

出典:2021年(令和3年度) 土地家屋調査士試験 午後の部 第1問(法務省 公表)出典元ページ

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